ラヴシークレットルーム ~日詠医師の溺愛クリスマスイヴは・・・
「福本師長!!!!!そ、そ、その話、今、始めたばっかりで、仕事する手は今、止めたばかりです~!!!!!ずっとサボっていた訳じゃないんですぅ・・・・」
「何で早くあたしを呼ばないのよ!今から始めるわよ。伶菜ちゃんのクリスマスプレゼントを何にするかを検討しよう会を。」
「し、師長!いえ師匠!!!!やりましょう!!!!!育休休暇中の伶菜さんがまたここに戻って来たいと思うようなことを!!!!!!」
『・・・・・・・・・・』
これから朝の申し送りが始まる時間なはずなのに
言い方は悪いけれど、厄介かつちょっと面倒くさい人まで参入
俺のうっかりの呟きがこんなことになるとは・・・・
仕事をする雰囲気ではなくなってきているような気がする
それに俺が何言ってもこの流れを止められる空気なんかじゃない
でも、もうすぐ病棟も夜勤と日勤のスタッフが入れ替わる時間帯だ
外来だって診察開始に向けての打ち合わせが始まる時間
今のこの状況
どうしたらいいんだろうか?
「伶菜さんのプレゼントについては、昼食を一緒に取りながらでも考えましょう。なので日詠先生は外来診察、谷本さんはバイタルサインの記入、福本さんは朝の申し送りの準備・・・・はいはい、皆さん、持ち場に戻りましょう。」
さすが、美咲
高校時代、バレー部のキャプテンをしていただけのことはある
当時の彼女を教えていた入江さんからも
“自分が世話を焼いてもらっていた”って証言するぐらい仕切るのが上手かったと聴かされているぐらいだ
谷本さんはもちろん
暇さえあれば他所で油を売りがちなあの福本さんでさえ、自分の持ち場へ戻らせてしまったことで入江さんが証言していた美咲の姿は本当だったんだとこの場で実感
「日詠先生。患者さん、お待ちですから。」
彼女の仕切りの上手さに感心させられていた俺も彼女に背中を押され、慌てて診察室へと向かった。
そして、外来診察室のパソコン画面で改めて今日の診察予約状況を確認していた最中だった。