ラヴシークレットルーム ~日詠医師の溺愛クリスマスイヴは・・・
幼い頃から顔見知りで、医師になってからは世話になっている福本さん。
彼女に伶菜を笑顔にしてやれるかもしれないことへの協力をしてもらうのもアリかもしれない
『そうだ。福本さんにちょっとご相談が・・・』
「ほ~う。相談する気になったんだ。自分から。」
『ええ。俺ひとりじゃきっと・・・・できませんから』
福本さんとこうやって話しているうちに思いついた
“伶菜を笑顔にできるかもしれないようなクリスマスプレゼント”
それを福本さんに打ち明けた。
「・・・やっぱり別人ね。昔のナオフミくんとは。」
『そうかもしれません。昔の俺なら・・・こういうこと考えないから。』
「別人というより、本当に似てきたわ・・・・」
『・・・?』
「あなたのもう一人の父親・・・・・高梨先生に。」
生前の高梨の親父のこともよく知っている福本さんから受け取った。
もしかしたら、産婦人科医師だった彼も利用していたかもしれないこの外来診察室で
最高の褒め言葉を。
「だから、喜んでお手伝いするわ。ナオフミくんが伶菜ちゃんをとびきりの笑顔にしてあげるお手伝いをね・・・・というか、いいことを思いついた!!!!」
滅多に見ることができないごく自然な笑顔を浮かべた福本さんは
思いついた事柄を丁寧に俺に話してくれた。
『いや、ちょっとそこまでは・・・・・』
「いいじゃない。これぐらいやらないと。」
『でも、伶菜がいいと言うかは・・・・・今までの経緯もありますし。』
「もう大丈夫よ。ていうか、事後報告でいいじゃない。逆に嬉しいかもよ。」
福本さんの案に俺はつい尻ごみをしてしまった。
その案
ありがたいような気もするけれど
本当にそれでいいのだろうか?
業務に関する福本さんの意見は忠実に聞き入れられるけれど
業務外での福本さんの意見はちょっと微妙な時があるから・・・
それでも、俺よりも人生経験豊富な福本さんの業務外の意見に耳を傾けるのも
たまにはいいかもしれない
それに伶菜のことを娘のように想っている福本さんにとっても、
今回のクリスマスプレゼントは嬉しいことになるかもしれないしな
たまには親孝行しておこうか
姉孝行でしょ?って怒られそうだけど・・・
『宜しくお願い致します。』
「あたしも楽しみにしてるわよ。しっかり準備なさい。」
『・・・了解です。』
クリスマスイヴまで時間がないとわかっている俺は福本さんに言われた通り、早速準備を始めた。