ラヴシークレットルーム ~日詠医師の溺愛クリスマスイヴは・・・
『もしもし、入江さん?日詠です。お久しぶりです。今、電話、大丈夫ですか?』
“久しぶりだな、日詠。こんな朝早くにどうした?なんかあった?”
『高島さんに連絡取りたいんですけど。』
“はっ?どういうこと?何で?”
『そろそろ診察が始まる時間なんで、詳しいことは後程。とりあえず、高島さんに俺に連絡先を教えていいかを入江さんから聞いてもらえますか?』
“・・・・・・・・・わかった。後からでもいいから詳細を聞かせろよ”
わかったと了承するまでの間は
おそらく“葛藤した間”だろう
こんなことで葛藤するとは
俺も変わったけれど
入江さんも変わったもんだよな
彼の教え子で、今は彼の奥さんになった高島さんのおかげで
『詳細、聞きたい?』
“・・当たり前だろ?”
『あっ、もう患者さんが診察室に入って来そうなので、失礼します。』
“おいっ!!!!日詠。ちょっと待て!!!!!”
『それでは後程。』
珍しく慌てた声を隠せていなかった入江さん
慌てるのも無理ないか
高島さん絡みだもんな
『昼休みとか早速俺に電話してきそうだな、入江さんは。』
入江さんはずっと高島さんに惚れられていたんだ
少しは焦ってもいいだろ?
長年伶菜を想い続けていた俺は
高島さんの立場がよくわかるからな
『それにしても高島さんは覚えているだろうか?』
これから彼女の力も必要なこの時の俺は
焦った様子の入江さんに構うことなく電話を切った。
『もう随分経つからどうだろう?』
伶菜との想い出
そして彼女と俺を支える人達とやりとりした想い出
大切なそれらを丁寧に想い起こしながら
俺は子供達の母親としてそして俺のかけがえのないパートナーとして日々頑張ってくれている伶菜へのクリスマスプレゼントの用意を進めた。
『伶菜、喜んでくれるといいんだが・・・・』
伶菜の・・・“戸惑いの苦笑いのちとびきりの笑顔”が見られるかもしれない12月24日はもう間もなくだ。