ラヴシークレットルーム ~日詠医師の溺愛クリスマスイヴは・・・
『休日が少なくてゴメン・・・・』
「大丈夫。妊婦さん達が待ってるんだもん、ナオフミさんのこと。」
そして、俺の仕事のこともよくわかってくれている人
あまりにも理解してくれていて
こっちが返って心配になったりする
無理させてないだろうか・・・って
本当は臨床心理の仕事が面白くなってきている頃だろうに
『俺は・・・伶菜が病院に戻ってくるのを待っているんだけどな。』
「でも、確か、私の育休中は臨時の臨床心理士に入ってもらっていて、中谷先輩に遺伝相談チームに加わってもらっているはずじゃ・・・・」
『中谷さんももちろん頑張ってくれている。けど・・・』
「けど?」
確かに遺伝相談のスタッフの手は足りている
でも、俺の中では足りない
パートナーというものは
誰でもいいわけじゃないんだ
『遺伝相談に来て下さる人に対応する時・・・・伶菜が隣にいると、俺自身が落ち着くんだ。』
「えっと・・・・」
伶菜はそんなことないと言わんばかりに肩を竦めながら恐縮しているが、俺が落ち着くのは事実
伶菜は相談の場を和らげる空気を持っているだけでなく
前を向こうという雰囲気を作ってくれる
相談を終えた患者さんの瞳に力が戻る場面も
この目で何度も見てきたからだ
『祐希や陽菜には申し訳ないけれど、待ち遠しいよ・・・伶菜が遺伝相談に戻ってくるのが。ここでだけじゃなくて、病院でも充電したいし・・・・』
「・・・充電?」
『伶菜からもらう・・・頑張れる元気の源ってヤツかな。その充電。』
元々、自分の気持ちを表出することが苦手だった俺
そんな自分が日頃想っていることを口にしようとするぐらい
心を許せてしまう空気がここにはある
それは伶菜がここにいてくれるから
「・・・最近・・・」
『ん?』