ラヴシークレットルーム ~日詠医師の溺愛クリスマスイヴは・・・



噎(むせ)び泣けてしまう
それを止める術がわからない

突然こんなことになるなんて
何があったの?


今朝、家から“行ってきます”と出かけていく時は
いつもと変わらなかったのに


今はこうやってベッドの上
しかも私の声にも反応しないなんて

忙しいとはいえ
元気だったじゃない



今朝だって朝食も美味しそうに食べてた

祐希ともいつもみたいにカーペットの上でじゃれあってたし
陽菜にだって“森村みたいな男には捕まるなよ・・”なんて言いながら、目尻を下げて彼女のほっぺをつんつんしてた

ネクタイを締めてあげた瞬間、不意打ちキスをしようとした彼をひらりとかわした私に、ちょっぴり残念そうな顔して笑ってくれた


いつもと何ら変わりがなかった今朝の彼

私がいる気配だって
超能力者みたいに気がつく人なのに


それなのに
全く反応がないなんて・・・





ねえ、ナオフミさん?

もう目を開けることはないの?


もう・・あの低い声で伶菜と呼んでくれることはないの?


もう・・・不意打ちでキスしてくれることはないの?


もう・・・・病院ですれ違い様に薬指を絡めながら甘い約束をしてくれることはないの?



『もう・・・・・ダイスキ、ダイスキって言えよって・・・笑って求めてくれない・・・の?』

















「1個足りないだろ?・・・・ダイスキが。」




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