ラヴシークレットルーム ~日詠医師の溺愛クリスマスイヴは・・・
『帰りもかなり冷え込んできてたから、温まるな。』
「おかわり、いる?」
密かに過去の自分に思いを馳せている俺に向かって嬉しそうな顔で手を差し出した伶菜。
『どうしようかな。』
どうやら後ろめたいことがあるという誤解は解けたみたいだな
しかも口元がほころぶ笑顔付き
その笑顔も俺の本能を揺り動かしていることを
彼女は多分気がついていない
どうやら今日はこのまま惚れた者勝ちで行くしかない
俺の“どうしようかな”という呟きを
伶菜はクリームシチューのおかわりを迷っている呟きと思っているみたいだけど
このタイミング、逃すもんか
『今度はこっち。』
「えっ?!」
クイッ!
『クリームシチューよりも温かいからな。』
ここぞとばかりに差し出されていた彼女の手を引いた。
今度は頬だけでなく、髪がかけられてむき出しになっている耳まで真っ赤になった伶菜。
「・・・・うっかり寝ちゃったら、ゴメンね。」
どうやら俺からの注文を承ってくれたらしい
うっかり寝るどころか
ゆっくり寝かしてあげたい
そのためにも
とことん温めてやらないといけない
『授乳で寝不足みたいだしな・・・でも、寝てる余裕ないかも。』
「そんな・・・ナオフミさんも確か連続勤務なはずで・・・」
『悪いけど、充電バッチリだから。』
「・・・充電してもらおうかな・・・私も。」
『充電じゃなくて感電・・・だろ?』
冷え込みが厳しくなる12月
それでも家の中は暖かい
この人がいるから・・・
「・・・んン・・ナオフミ・・さん・・」
『他所とか・・・・向いている余裕なんかないから・・・俺も。』
「・・・あたしも・・・ん・・」
この夜の俺はクリームシチューで温まった体が
妖艶さを増す伶菜の肌に触れることで更に熱を帯びた。