ラヴシークレットルーム ~日詠医師の溺愛クリスマスイヴは・・・
予告通り、俺の腕の中で深い眠りに落ちた伶菜。
彼女がスウスウと小さな息を立てて眠っている中、聴こえてきた陽菜の泣き声。
このまま伶菜に休んで欲しいと思った俺は
彼女を起こさないようにそっとベッドから抜け出て、陽菜が眠っている寝室に向かった。
どうやらお腹がすいた様子の陽菜。
『陽菜、腹減ったか?たまにはママをゆっくり休ませてあげような。』
陽菜を抱き上げ、伶菜の代わりにミルクを飲ませるためにキッチンに向かった。
『陽菜、おりこうさん。寝るか。』
ミルクを飲んで満足したのか、俺の腕の中で眠ってしまった陽菜を再び寝室へ連れて行った。
そして、ベッド中央で大の字になって爆睡状態の祐希の隣に彼女を寝かせ添い寝をしてやった。
添い寝しているベッドは伶菜の甘い香りもほのかに漂っていて、
そのせいもあってか、俺は陽菜と一緒にそこで眠ってしまっていた。
「ゴメン・・・・やっぱり眠っちゃった。それに陽菜にミルク飲ませてくれてありがとう。」
翌朝、申し訳なさそうに寝室にいる俺達を覗きに来たらしい伶菜。
『ちゃんと眠れたか?』
「うん。おかげさまでスッキリ。」
『それはよかった。』
その言葉通り、顔色の良さそうな彼女の姿を見れたおかげで
少々寝不足気味だった俺も気分良く朝を迎えられた。
そして、その日の夜。
業務終了後に名古屋駅近くの高層ビル内にある会議室で行われた産婦人科系の研修会に出向いた。
この日の研修会は出生前診断についての最新の知見に関する講演もあったせいか、大勢の人が集まっていた。
その休憩時間。
「久しぶりね。」
俺がケータリングで用意されていたコーヒーを会議室外の壁に軽くもたれながら飲んでいた時に声をかけられた。