#青春リクエスション
「ねぇ、凛空ちゃ…待って、早い…っ」
ハイパーダッシュの凛空ちゃんのあとを追いかけて生徒会室まで来たら、呼吸の仕方忘れるぐらい酸素が足りてなかった。超余裕そうな凛空ちゃんの後ろをフラフラになりながらついて生徒会に入った。
「あ、由夢ちゃん凛空くんお疲れ様」
「おつかれーっす!」
「おつ、か…れさ…まです」
「井住さん大丈夫?顔色良くないけど」
「だいじょ…ぶで、す」
話すのもいっぱいいっぱいで、これ以上は話せませんと顔で訴えジェスチャーで答えた。無理です、座らせてください。
「凛空も井住も来たから、聞いてくれ!やっとアップデート出来るから、Speaks!!」
馬渕先輩がずっと籠りながら作業していたSpeaksのアップデートデータがついに完成したらしい。
今日はそのお披露目会と評して、みんな生徒会に集まった。
どんな風に新しくなるのか、待ちかねていた。今は疲れて何も言えないけど。
「アップデートして追加される新機能、卒業システム!!」
ばばーんっと効果音でも付けておこうか一応、そんな感じでふんっと鼻を鳴らした馬渕先輩がスマホをどんっと私たちの前に出した。
「それどんな内容なんすか?」
「これはなっ」
「俺が説明してあげよう、凛空くん!」
「おい、ノギ!邪魔すんな!俺が作ったんだぞ!」
「案を出したのは俺だけどね」
「そうだけどっ」
「どっちでもいいわよ、早く説明して!」
花絵先輩の一括で一気にシーンとなる。一呼吸して、何もなかったかのように暁先輩が話し出した。
「3年生が卒業した時、強制退会になるのが嫌だなって言われたんだよね。卒業した次の日に勝手に消える仕様だったから、最後の日はこれで終わりなの寂しいってたくさん呟かれてて…言われてみればそうだなと」
「来るもの拒まず去るもの追わずスタイルっすね」
「だから、Speaksからも“卒業”にしようと思って」
「それは退会と何が違うの?言い方変えただけじゃないの?」
花絵先輩のが眉間にしわを寄せた。しわを寄せるのは元々癖らしい。
「言い方だけでも十分違うと思うんだよね、これ見て」
暁先輩がスマホを差し出した。
その画面には“卒業”と書かれたボタンが表示されていた。
「これは卒業式の日のSpeaksの画面なんだけど、このボタンを押すとね」
トンっとタップすると桜が舞った。その後、エンドロールのように文字やイラストが流れ始めた。それは映画のラストみたいになんだかグッと来るものがあって、最後は“卒業おめでとうございます”の言葉で締められていた。
「めちゃくちゃいいっすね!」
「…そうね、この方が良い思い出として記憶に残りそうね」
凛空ちゃんが目を輝かせて、花絵先輩がうんと頷いた。もちろん私も同じ気持ちだった。
暁先輩は花絵先輩のためだって言ってたけど、そうかもしれないけど、本当は…
ハイパーダッシュの凛空ちゃんのあとを追いかけて生徒会室まで来たら、呼吸の仕方忘れるぐらい酸素が足りてなかった。超余裕そうな凛空ちゃんの後ろをフラフラになりながらついて生徒会に入った。
「あ、由夢ちゃん凛空くんお疲れ様」
「おつかれーっす!」
「おつ、か…れさ…まです」
「井住さん大丈夫?顔色良くないけど」
「だいじょ…ぶで、す」
話すのもいっぱいいっぱいで、これ以上は話せませんと顔で訴えジェスチャーで答えた。無理です、座らせてください。
「凛空も井住も来たから、聞いてくれ!やっとアップデート出来るから、Speaks!!」
馬渕先輩がずっと籠りながら作業していたSpeaksのアップデートデータがついに完成したらしい。
今日はそのお披露目会と評して、みんな生徒会に集まった。
どんな風に新しくなるのか、待ちかねていた。今は疲れて何も言えないけど。
「アップデートして追加される新機能、卒業システム!!」
ばばーんっと効果音でも付けておこうか一応、そんな感じでふんっと鼻を鳴らした馬渕先輩がスマホをどんっと私たちの前に出した。
「それどんな内容なんすか?」
「これはなっ」
「俺が説明してあげよう、凛空くん!」
「おい、ノギ!邪魔すんな!俺が作ったんだぞ!」
「案を出したのは俺だけどね」
「そうだけどっ」
「どっちでもいいわよ、早く説明して!」
花絵先輩の一括で一気にシーンとなる。一呼吸して、何もなかったかのように暁先輩が話し出した。
「3年生が卒業した時、強制退会になるのが嫌だなって言われたんだよね。卒業した次の日に勝手に消える仕様だったから、最後の日はこれで終わりなの寂しいってたくさん呟かれてて…言われてみればそうだなと」
「来るもの拒まず去るもの追わずスタイルっすね」
「だから、Speaksからも“卒業”にしようと思って」
「それは退会と何が違うの?言い方変えただけじゃないの?」
花絵先輩のが眉間にしわを寄せた。しわを寄せるのは元々癖らしい。
「言い方だけでも十分違うと思うんだよね、これ見て」
暁先輩がスマホを差し出した。
その画面には“卒業”と書かれたボタンが表示されていた。
「これは卒業式の日のSpeaksの画面なんだけど、このボタンを押すとね」
トンっとタップすると桜が舞った。その後、エンドロールのように文字やイラストが流れ始めた。それは映画のラストみたいになんだかグッと来るものがあって、最後は“卒業おめでとうございます”の言葉で締められていた。
「めちゃくちゃいいっすね!」
「…そうね、この方が良い思い出として記憶に残りそうね」
凛空ちゃんが目を輝かせて、花絵先輩がうんと頷いた。もちろん私も同じ気持ちだった。
暁先輩は花絵先輩のためだって言ってたけど、そうかもしれないけど、本当は…