#青春リクエスション
「あ、そうだ暁!こないだの新聞部の取材!いつの間に答えてたの!?」

何かを思い出したかのように花絵先輩が取り出したのは新聞部が作った新聞、生徒会に取材がしたいって私たちも協力してたあの新聞が出来上がったらしい。

「これ話しちゃっていいの?“青春リクエスション”について!」

「「「!?」」」

え、何それ!内緒でやってるあれじゃなかったの!?

すぐにもらった新聞に目を通した。一番上のトピックに暁先輩のインタビュー記事が載っていた。

…私の記事ちっちゃ!あってもなくてもいいレベル!

じゃなくてっ



“青春リクエスションなんてものがこの学校にあるらしいですね。僕は何も知らないですよ。急に僕への告白が増えちゃって、何かと思ったら青春リクエスションだったって…びっくりしました。でもおもしろかったんで、つい誘いに乗っちゃったんです。楽しかったですよ、僕ら生徒会も負けてられないのでより良い高校生活を提供していきたいですね。”



「白ッ々しい…!」

聞き慣れた花絵先輩の低音が響いた。
暁先輩はケラケラ笑ってる。

「新聞部の子に聞かれたんだよね、青春リクエスションは会長がやってるんですか?って。否定したら噂として記事にするって言われて、その許可を俺と蕪木先生に取りに来たって」

蕪木先生にも…、そっか生徒会関係だから一応顧問の先生の許可も必要なんだ。
そーいえば前に蕪木先生のところに一緒に来てほしいって言ってた子たちいたな…

「付き合ってくださいってついてったら、それが実は新聞部の記事依頼でさ」

あ、ほらやっぱり!あの子たちだ、新聞部の子だったんだ!

「しかも売名行為?みたいな依頼じゃん。だから言ったの…」

売名行為って…、確かに新聞部の新聞今初めて見たぐらい知名度低いけど。

「じゃあ記事にしてもいいですよ、その代わり生徒会会長としてのインタビューをトップ記事として載せてくださいねって」

にこりと微笑んだ。

その表情に私たちは言葉を失った。

だってそれは…


脅し。


「でもこれで余計噂広まっちゃうんじゃねぇーの?」

「広まったら広まったでいいよ、そしたら青リクも潤うし、生徒会としても注目されるし」

「…マジお前の考えることはわかんねぇよ」

「マブにはまだわからないか♡」

「別にわかりたくもねぇけどな!」

やっぱり暁先輩のことは永遠に誰もわからないのかもしれない。

花絵先輩も呆れた顔で頬杖ついてる。

それがうちの生徒会長で青春リクエスションのリーダーなんだ。
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