#青春リクエスション
「会長マジすごいっすよね、常に中心ですもんね」

「いや、お前には言われたくないだろうな」

「?」

何もわかってないような表情をする凛空ちゃんに馬渕先輩がスマホを見せた。

「とぼけんな、なんだこの呟き!」

Speaksの凛空ちゃんの呟き。覗き込むようにみんなで見た。


“@riku_arisueeeee 由夢が好き#青春リクエスション”


「何コレっ!!!?」

生徒会室に来て初めてちゃんと声が出た。やっと体力戻って来たから。だからめっちゃ大きな声で叫んじゃった。思わず椅子からも立っちゃた。

「今までで1番拡散されてるな」

「ここ最近登録者数が一気に増えたからね、その影響もあるでしょうね」

馬渕先輩と花絵先輩がめちゃくれ冷静に話してる。

え、なんで!?なんでそんな淡々と話してるんですか!?

誰よりわかりやすいアカウント名でこんな堂々と名前出されてるんですけどっ

てゆーか、これって…!!!

「凛空くん…」

暁先輩がこれまた落ち着いた声で話し出した。

「なんすか?」

「相手を特定をすることはルール違反だからこのリクエストには応えられないよ」

「いや、そーゆう問題じゃないだろ!めちゃくちゃ拡散されてんだぞ、さらし者だぞ!」

え、私これに何言ったらいいの?

全然凛空ちゃんの顔見れないんだけど!

じっとスマホの画面を見ているだけで、これ以上何も言えなかった。

「俺は別に青春リクエスションに叶えてほしいと思ってないんでそんなの必要ないっすよ!自分で叶えようと思ってるんで!」

「…!」

顔が熱くなる。

そんなハッキリ言われたら。

馬渕先輩が凛空ちゃんの頭をわしゃわしゃして、暁先輩がぽんっと背中を叩いて、花絵先輩もがそれを見て笑ってる。

私は…

どんな顔したらいいかわからなかったけど…

こんな生徒会も青リクも好きだなって思った。


凛空ちゃんのことは…



凛空ちゃんのことも…







きっとすぐに…



思えば、私がラブストーリーが好きなこともオレンジジュースが好きなこともあれは凛空ちゃんが暁先輩に教えたんだよね。

私の些細なことまでわかってたんだ。

それに、いつも元気づけてくれたのは凛空ちゃんだったから。

凛空ちゃんがいなかったら、私ずっと暗闇だったかもしれない。


いっぱいありがとうって思ってる。




想ってるよ。
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