#青春リクエスション
なんじゃそら!!!
整理しながら考えてもよくわからない…
自分がさっきから何言ってるのか…!
もう回らない頭でスッキリとした結論だけを見つめ直すと…
“野木会長とデート”
ってことぐらい。
「………。」
そして私は今、駅前の時計台下で待ってます。
き、緊張して来た…!
成り行きとは言え野木会長と2人で出掛けることになるなんて。
しかも休みの日に、わざわざ待ち合わせして会うとか…緊張しないわけがない。
だって初めてなんだもん、デートってやつ。
「由夢ちゃん、お待たせ!」
「野木会長…!」
駆け足でやって来る。
黒のコートを羽織って颯爽と、手を振りながら…
キュンなんて鳴らせるものかと胸を抑えた。
「おはようございます…っ」
「おはよう。スカート可愛いね~」
さらっと褒めてくる野木会長は慣れているのかなんなのか、もうすでに会長のペースだった。
「どこか行きたいところある?」
「え、…特にはないです」
「じゃあラブストーリーとサスペンスとコメディ何が好き?」
「…ラブストーリーですかね?」
「だと思った!」
連れて来られたのは近くの映画館、渡された半券片手に劇場の中に入る。
席はシアターのど真ん中、隣り合わせで2席。
ドッドッと心臓の音がうるさい私の隣に野木会長が座…ろうとしてやめた。
「ちょっと待ってて!」
「?」
ちょっとは本当にちょっとで、一度席を離れたものの5分もしないうちに戻って来た。飲み物とポップコーンを持って。
「由夢ちゃんはオレンジジュース、だよね?」
「ありがとうございますっ、すみません」
「ポップコーンはキャラメルね」
私と野木会長が座る真ん中のホルダーに置かれたポップコーン。すっごく良い香りが漂ってくる。
「…あのっ、払います!」
「いいよ、今日は。だってデートだから」
「でも…デートって言っても、ノリみたいなあれですし野木会長と私は彼氏と彼女じゃないですし…」
グッと野木会長が近づいた。
私の耳元に息がかかるくらいの距離まで。
「暁でいいよ?」
「…っ」
思わず慌てて離れてしまった。
一気に熱くなった耳を押さえながら会長の方を見るといつものように微笑んでいた。
「デート、でしょ?」
「………。」
そうだけど…
そう言ったんだけど。
もうすぐ映画が始まる薄暗い中、バックバクと自分の心臓の音の方が気になって仕方ない。
「………っ」
「ね?」
その瞬間、真っ暗になった。
映画が始まる合図だ。
すぅっと小さく息を吸った。
「暁…先輩は映画は何が好きなんですか?」
「んー、何でも好きだけど俺もやっぱラブストーリーかな。切ないのとか結構好きかも」
隣が見れない、顔が見れない、暗い部屋の中でよかった。
下の名前で呼ぶって緊張する。
整理しながら考えてもよくわからない…
自分がさっきから何言ってるのか…!
もう回らない頭でスッキリとした結論だけを見つめ直すと…
“野木会長とデート”
ってことぐらい。
「………。」
そして私は今、駅前の時計台下で待ってます。
き、緊張して来た…!
成り行きとは言え野木会長と2人で出掛けることになるなんて。
しかも休みの日に、わざわざ待ち合わせして会うとか…緊張しないわけがない。
だって初めてなんだもん、デートってやつ。
「由夢ちゃん、お待たせ!」
「野木会長…!」
駆け足でやって来る。
黒のコートを羽織って颯爽と、手を振りながら…
キュンなんて鳴らせるものかと胸を抑えた。
「おはようございます…っ」
「おはよう。スカート可愛いね~」
さらっと褒めてくる野木会長は慣れているのかなんなのか、もうすでに会長のペースだった。
「どこか行きたいところある?」
「え、…特にはないです」
「じゃあラブストーリーとサスペンスとコメディ何が好き?」
「…ラブストーリーですかね?」
「だと思った!」
連れて来られたのは近くの映画館、渡された半券片手に劇場の中に入る。
席はシアターのど真ん中、隣り合わせで2席。
ドッドッと心臓の音がうるさい私の隣に野木会長が座…ろうとしてやめた。
「ちょっと待ってて!」
「?」
ちょっとは本当にちょっとで、一度席を離れたものの5分もしないうちに戻って来た。飲み物とポップコーンを持って。
「由夢ちゃんはオレンジジュース、だよね?」
「ありがとうございますっ、すみません」
「ポップコーンはキャラメルね」
私と野木会長が座る真ん中のホルダーに置かれたポップコーン。すっごく良い香りが漂ってくる。
「…あのっ、払います!」
「いいよ、今日は。だってデートだから」
「でも…デートって言っても、ノリみたいなあれですし野木会長と私は彼氏と彼女じゃないですし…」
グッと野木会長が近づいた。
私の耳元に息がかかるくらいの距離まで。
「暁でいいよ?」
「…っ」
思わず慌てて離れてしまった。
一気に熱くなった耳を押さえながら会長の方を見るといつものように微笑んでいた。
「デート、でしょ?」
「………。」
そうだけど…
そう言ったんだけど。
もうすぐ映画が始まる薄暗い中、バックバクと自分の心臓の音の方が気になって仕方ない。
「………っ」
「ね?」
その瞬間、真っ暗になった。
映画が始まる合図だ。
すぅっと小さく息を吸った。
「暁…先輩は映画は何が好きなんですか?」
「んー、何でも好きだけど俺もやっぱラブストーリーかな。切ないのとか結構好きかも」
隣が見れない、顔が見れない、暗い部屋の中でよかった。
下の名前で呼ぶって緊張する。