#青春リクエスション
初詣には人もすごかったけど、模擬店もたくさん出ていて見ているだけで楽しかった。
ズラーっと何件も並び、美味しそうな匂いがふわふわと漂ってくる。
待ってましたと言わんばかりに、流行りのいちご飴を買ったり、からあげを買ったりクレープを買ったり…

「あとたこ焼きも欲しいっす!」

「凛空くんまだ食べられるの?」

「凛空ちゃん見た目はミニサイズなんですけど胃袋だけは人一倍大きいんです」

「見た目もビックサイズになってやるんだよ今年こそ!」

最後のからあげを一口で頬張った凛空ちゃんはもぐもぐと口を動かしながらたこ焼きを探していた。

「確か来た道にあったよね、クレープ買ったとこの斜め前ら辺に」

「じゃあ戻る感じっすかー」

すぐにゴクリと飲み込んだ凛空ちゃんはそう言いながらも買いに行く気は満々でお財布の中身と相談していた。円満で相談できたのか、うんと頷いて私たちの方を向いた。

「じゃあ買ってきます!他いる人いますか?」

その問いかけに手を上げた馬渕先輩からお金をもらっていた。

「由夢は?」

「私は…まだクレープあるからいいや」

ぱくっとクレープにかぶりついた。
本当は少し欲しいけど、まだクレープ半分以上あるし。クレープっておいしいんだけど、最後の方飽きて来ちゃうんだよね…。

「じゃあ買ってきます!」

「あ、待って凛空くん!俺も行くよ!」

「会長もたこ焼き買うんですか?」

「俺はついでに飲み物でも買いに行こうかと思って」
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