#青春リクエスション
「ぃっえーーーーい!俺の勝ち!!!」
「待って、も1回!も1回!」
「何度でもやってやるさ、俺のスピードに勝てる奴なんていないんだから…!」
めっちゃくちゃイキッた暁先輩がイスの上に立ち、机に片足を乗せ、ピシッと人差し指を馬淵先輩に向けていた。
その机の上にはトランプが散らばっていた。
ふはははといやらしい笑いを発しながらのポーズの決まってる暁先輩の前で馬淵先輩は悔しそうに唇を噛んでいる。
「あー!俺も混ぜてくださーい!」
その中に手を挙げて入っていこうとするコミュニケーションおばけ有末凛空さすが…
ゴクリと息を飲むと、止めるように花絵先輩が手に持ったくるっと巻いた紙で暁先輩の頭をコツンとした。
「みんな揃ったんだからいい加減にして」
すぐに凛空ちゃんがスッと手を下ろした。
「そうだね、今日は大きな議題があるからね。トランプなんかしてる場合じゃないよマブ!」
「お前がやろうって言い出したんだろうが!」
サササッとすぐさま机の上をキレイにし、すべてをなかったことにするようにいつもの席に座った。
暁先輩が座ると、自然とみんな自分の席に座り始める。
「じゃあ本日の生徒会会議を始めます。由夢ちゃんホワイトボードお願いしてい?」
「わかりました!」
すくっと立ち上がって隅っこに置いたホワイトボードをカラカラと運ぶ。手前にあった黒のマーカーを持ってキャップを外した。
「本日の議題は来年度の1年生歓迎会について」
暁先輩が言うことそのままホワイトボードに書いた。
「部活紹介の時間はそれぞれの部がやるとして、何か生徒会でもやろうかと思うんだけど何か意見ある人いる?」
「例年生徒会としては特に何もしてなくね?」
肘をつきながら馬淵先輩が言うように、去年私たちが入学した時生徒会の人たちは司会をしていただけで何かしていた記憶はない。
「そうなんだけどなー、3年生が卒業してSpeaks減ったからなー」
「それは大幅にな」
先週卒業式があった。
卒業と同時、生徒専用非公式SNSアプリ“Speaks”からも自動的に退会になるシステム…おかげで増えた登録者も100人以上減り、青リクとしても危機を迎えていた。
「だからなんか印象に残るような何かをドカッとー…自作自演しようかな、久しぶりに」
ぼそっと暁先輩が呟いた。
さすがにホワイトボードには書けなくてただマーカーを持ったまま立っていた。
「また犬レンタルするかー」
思い出される生徒会長就任演説の時、突如現れたゴールデンレトリバー。
それもさすがにホワイトボードに書けない…
「「「………。」」」
「あれウケたと思ってるのよ、可哀想でしょ?」
眉をしかめた花絵先輩がうんざりした顔で、暁先輩に…
花絵先輩、どうしてチョコレート渡したのかな?
どうしても頭から離れない。
嫌いだったら渡さないよね?
こうして一緒に生徒会だってやるぐらいだもん。
どんな顔して渡したのかな?
そればっかり考えてしまう。
2人を見ていたら…
「ぃずみさん、井住さん?」
「あ、はいっ!」
「…大丈夫?井住さんは、どう?」
「あ、すみません!えっと私は…」
しまった、考え込んでて聞いてなかった…!
何?何を聞かれてるの!?何て答えれば…!?
「由夢もなんも意見ないな」
凛空ちゃんと目が合った。
コクンと頷いて、その言葉に乗かった。
「ないです、ないです!私も!」
「じゃあ、この議題は持ち越しだね。明日までに何か案考えといてね」
ありがとう凛空ちゃん…!という思いを込めて、念を送った。ドヤァとした表情で念が送り返されてきた。
新入生歓迎会で生徒会は何をするか、明日の会議までに考えてくることが宿題になった。
「待って、も1回!も1回!」
「何度でもやってやるさ、俺のスピードに勝てる奴なんていないんだから…!」
めっちゃくちゃイキッた暁先輩がイスの上に立ち、机に片足を乗せ、ピシッと人差し指を馬淵先輩に向けていた。
その机の上にはトランプが散らばっていた。
ふはははといやらしい笑いを発しながらのポーズの決まってる暁先輩の前で馬淵先輩は悔しそうに唇を噛んでいる。
「あー!俺も混ぜてくださーい!」
その中に手を挙げて入っていこうとするコミュニケーションおばけ有末凛空さすが…
ゴクリと息を飲むと、止めるように花絵先輩が手に持ったくるっと巻いた紙で暁先輩の頭をコツンとした。
「みんな揃ったんだからいい加減にして」
すぐに凛空ちゃんがスッと手を下ろした。
「そうだね、今日は大きな議題があるからね。トランプなんかしてる場合じゃないよマブ!」
「お前がやろうって言い出したんだろうが!」
サササッとすぐさま机の上をキレイにし、すべてをなかったことにするようにいつもの席に座った。
暁先輩が座ると、自然とみんな自分の席に座り始める。
「じゃあ本日の生徒会会議を始めます。由夢ちゃんホワイトボードお願いしてい?」
「わかりました!」
すくっと立ち上がって隅っこに置いたホワイトボードをカラカラと運ぶ。手前にあった黒のマーカーを持ってキャップを外した。
「本日の議題は来年度の1年生歓迎会について」
暁先輩が言うことそのままホワイトボードに書いた。
「部活紹介の時間はそれぞれの部がやるとして、何か生徒会でもやろうかと思うんだけど何か意見ある人いる?」
「例年生徒会としては特に何もしてなくね?」
肘をつきながら馬淵先輩が言うように、去年私たちが入学した時生徒会の人たちは司会をしていただけで何かしていた記憶はない。
「そうなんだけどなー、3年生が卒業してSpeaks減ったからなー」
「それは大幅にな」
先週卒業式があった。
卒業と同時、生徒専用非公式SNSアプリ“Speaks”からも自動的に退会になるシステム…おかげで増えた登録者も100人以上減り、青リクとしても危機を迎えていた。
「だからなんか印象に残るような何かをドカッとー…自作自演しようかな、久しぶりに」
ぼそっと暁先輩が呟いた。
さすがにホワイトボードには書けなくてただマーカーを持ったまま立っていた。
「また犬レンタルするかー」
思い出される生徒会長就任演説の時、突如現れたゴールデンレトリバー。
それもさすがにホワイトボードに書けない…
「「「………。」」」
「あれウケたと思ってるのよ、可哀想でしょ?」
眉をしかめた花絵先輩がうんざりした顔で、暁先輩に…
花絵先輩、どうしてチョコレート渡したのかな?
どうしても頭から離れない。
嫌いだったら渡さないよね?
こうして一緒に生徒会だってやるぐらいだもん。
どんな顔して渡したのかな?
そればっかり考えてしまう。
2人を見ていたら…
「ぃずみさん、井住さん?」
「あ、はいっ!」
「…大丈夫?井住さんは、どう?」
「あ、すみません!えっと私は…」
しまった、考え込んでて聞いてなかった…!
何?何を聞かれてるの!?何て答えれば…!?
「由夢もなんも意見ないな」
凛空ちゃんと目が合った。
コクンと頷いて、その言葉に乗かった。
「ないです、ないです!私も!」
「じゃあ、この議題は持ち越しだね。明日までに何か案考えといてね」
ありがとう凛空ちゃん…!という思いを込めて、念を送った。ドヤァとした表情で念が送り返されてきた。
新入生歓迎会で生徒会は何をするか、明日の会議までに考えてくることが宿題になった。