#青春リクエスション
演劇?

合唱?

クイズ大会?


私の頭じゃそんな大しておもしろいこと浮かばないな…

昨日から考えてみたけど、それっぽいものしか出て来なかった。学校に着くまでの間も考えてみたけど、ありきたりなことしか浮かばなかった。

今日の会議まで何か…

凛空ちゃんは何か思いついたかな?
相談しながら生徒会行こ~

なんて思いながら、教室までの階段を上がる。

先輩たち、暁先輩はきっと突拍子もないもの提案して来るんだろうな~

楽しみに思いながら教室のドアを開けた。

「!」

目に入った来た光景に全部吹っ飛んじゃったけど。

「寧々!どうしたの!?」

「由夢、おはよう」

「おはよう!じゃなくて、手!どうしたの!?」

包帯でぐるぐるにされた右手は指先から手首までギプスでがっちりと固定されていた。見るからに痛々しく、とてもじゃないけどちょっとした怪我レベルには思えなかった。

「昨日…、ミスしちゃって」

「え…っ、大丈夫…じゃ、ないよね!?」

自分の席に大人しく座る寧々の元に駆け寄った。
少し俯きながら、それでもいつもと変わらない声で答えた。

「鍛錬が足りなかったんだと思う」


“大会近いからね”


もう日にちが差し迫っている、気になって思わず聞いてしまった。

「大会は!?もうすぐある大会は…っ」

「この腕じゃ出られないね。間に合わないし、無理に出ても良い結果は残せないから…」

聞かない方がよかったかな、寧々に悲しい顔させちゃったかな…

「私の代わりに百枝(ももえだ)先輩が出てくれることになったから」

「寧々…」

「まだ来年があるから。それに向けてまたがんばるわ」
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