#青春リクエスション
翌日、学校中は大騒ぎで花絵先輩の言っていた通り大問題になっていた。

瞬く間に広まった誰かが寧々を装った呟きは、案の定大会に出られなくなった寧々が腹いせに呟いたとSNS上で大炎上し、それは普段の生活にも影響を及ぼしていた。



「調子に乗ってたからじゃない?」


「1年で1人だけレギュラーだったからって、VIP気取ってんだ」


「いくら自分が出られなくなったからってこれはひどすぎ、最低!」


「近澤って結構きつい性格してるんだな」


「お前がざまぁみろって感じだよね」



寧々に向かってくる心無い言葉たちは、誰からも飛ばされてきた。

どうしてそんなことが言えるの?

寧々のこと何にも知らないくせに!!



「あんな呟きしといて普通に学校来れるってすごいよね~」

「ほんと、あたしなら無理だわ」

廊下ですれ違った、たぶん隣のクラスの子たち。

わざと聞こえるように言ったんだと思う。

寧々の耳にも絶対届いていた。

だから我慢できなくて、つい言い返してしまった。

「あれは寧々じゃない!他の人の呟きだよ!」

「じゃあ誰のなの?明らかに近澤のじゃん」

「そうだよ、他の人って言うならそれ教えてよね」

「それは…っ」

でもそれにも言い返されて、何も言えなかった。誰がどうしてこんなことをしたのか、わからないから。

「由夢、いいよ。私はやってないんだから、堂々としてればいいんだから」

「寧々…」

「ね、行こう」

「………。」
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