#青春リクエスション
百枝先輩が体育館へ向かった後ろ姿を見送った渡り廊下、肌寒い風がびゅーっと吹いた。3月の風はまだまだ寒い。

「…ありがとう、由夢」

「ううんっ!なんかあれでよかったのかな、私が変なことしちゃったような気もするしっ」

「ううん、スッキリした」

「…ならいいんだけど」

「いろんなこと言われて、もちろん嫌だったし、しんどかったけど…由夢は信じてくれたから私案外平気だったよ」

上目遣いで私に微笑んだ。

それにはなぜか私の方が泣きそうになっちゃって、だって寧々の笑った顔は可愛いんだから。

その方がいいよ、笑ってて。

「ねぇ寧々抱きしめていい?」

「しょーがないなぁ」

ちっちゃい寧々は私の腕の中にすっぽりで、めいっぱい抱きしめた。


痛いよって笑ってた。
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