#青春リクエスション
Request8 #春が来ますように♡
穏やかな陽気に桜色めく季節、新学期が始まり新1年生が入ってきました。私も無事2年生になり、これからも励んでいく所存でございます。
「由夢、気合入ってんね」
「クラス替えもしたし、何でも最初が肝心だからね!」
制服の袖を巻くって、珍しく肩まで伸びた髪を一つに結んだ。
明日は新入生歓迎会、2年生になって最初の生徒会の仕事。
体育館でひたすらにパイプ椅子を並べていた。
「2年も凛空ちゃんと同じクラスでよかった!あと寧々も一緒だし、嬉しいな~!」
「なぁー、また由夢と出席番号前と後ろだな~」
「また凛空ちゃんの席借りて寧々とご飯食べる!」
「どーぞ、お使いなすって」
私たちがパイプ椅子を並べている前のステージ横では花絵先輩が飾りつけをしている。
紙で作ったふわふわの花飾りを壁に貼り、“愛和高校へようこそ!”と書かれたパネルの周りを際立たせていた。
その隣で馬渕先輩が明日の段取りを確認していた。
明日の司会は馬渕先輩が担当するらしく、念入りに繰り返し用意された資料を読み返していた。
「由夢、あとそっちイスいくついる?」
「んーっと、あと…6個!」
「ん、おけ。じゃあ残り持ってくるわ」
ステージ下の収納に椅子を取りに行く凛空ちゃんのあとをついて一緒に取りに行く。
全校生徒分の椅子を並べるのは結構大変で、地味にしんどい。暁先輩も椅子を並べるの担当だって言ってたはずなんだけど、キョロキョロしてもどこにも見当たらなかった。
「ねぇ凛空ちゃん、暁先輩は?見かけないけど」
「あぁ、先に職員室寄って来るって。顧問んとこ!」
「顧問ってどこの?」
「ん、だからうちの顧問。生徒会顧問の蕪木!」
収納を引いてパイプ椅子を取り出す凛空ちゃんはさも当然のようにさらりと答えていたけど、そんな人がいたこと今まで聞いたことがなかった。
「え!?そんな人いたの!?」
「うん、普通いるくない?」
「うん、いや、いるけど…そんな話聞いたことなかったから」
「まぁ俺も春休み前に聞いたばっかなんだけど」
「最近じゃん!」
凛空ちゃんに渡された椅子を左右に一つずつ小脇に抱えて、足りない場所へ持っていく。凛空ちゃんは左右に2つずつ抱えていた。
「ずっと顧問はいたけど、基本暁会長任せっていうか、会長が窓口でやってたから俺らが顧問と話すことなかっただけっぽいんだけど。1年の終わりに今年度も終わるからーってあいさつに来てさ」
そうなんだ、そんなことがあったんだ。顧問の存在気にしたことなかったし、いなくてもどうにかなってたから…でもなんでそのことを私は知らないんだろう。
「由夢いなかったから」
「え?」
「近澤ちゃんのことでそれどころじゃなくて」
「あー…」
通りで、知らないはずだ。
納得した、スッキリ全部納得した。
「凛空ちゃん、今ので全部解決したよ」
「ん?」
「私ね、この新入生歓迎会もぶっちゃけ全然わかってない!」
「だよねー、ほぼ聞いてなかったもんねー。よく椅子だけは並べてるなーって思ってたよー」
「凛空ちゃんのマネしとけばいいかなって!」
てへっごまかし笑いをして、愛嬌で乗り切ろうと思った。
明日の新入生歓迎会も新入生と同じ気持ちだった。
「生徒会の方も青リクの方もわかってないでしょ」
「あ、凛空ちゃんも青リクって呼ぶようになってる!」
「由夢、気合入ってんね」
「クラス替えもしたし、何でも最初が肝心だからね!」
制服の袖を巻くって、珍しく肩まで伸びた髪を一つに結んだ。
明日は新入生歓迎会、2年生になって最初の生徒会の仕事。
体育館でひたすらにパイプ椅子を並べていた。
「2年も凛空ちゃんと同じクラスでよかった!あと寧々も一緒だし、嬉しいな~!」
「なぁー、また由夢と出席番号前と後ろだな~」
「また凛空ちゃんの席借りて寧々とご飯食べる!」
「どーぞ、お使いなすって」
私たちがパイプ椅子を並べている前のステージ横では花絵先輩が飾りつけをしている。
紙で作ったふわふわの花飾りを壁に貼り、“愛和高校へようこそ!”と書かれたパネルの周りを際立たせていた。
その隣で馬渕先輩が明日の段取りを確認していた。
明日の司会は馬渕先輩が担当するらしく、念入りに繰り返し用意された資料を読み返していた。
「由夢、あとそっちイスいくついる?」
「んーっと、あと…6個!」
「ん、おけ。じゃあ残り持ってくるわ」
ステージ下の収納に椅子を取りに行く凛空ちゃんのあとをついて一緒に取りに行く。
全校生徒分の椅子を並べるのは結構大変で、地味にしんどい。暁先輩も椅子を並べるの担当だって言ってたはずなんだけど、キョロキョロしてもどこにも見当たらなかった。
「ねぇ凛空ちゃん、暁先輩は?見かけないけど」
「あぁ、先に職員室寄って来るって。顧問んとこ!」
「顧問ってどこの?」
「ん、だからうちの顧問。生徒会顧問の蕪木!」
収納を引いてパイプ椅子を取り出す凛空ちゃんはさも当然のようにさらりと答えていたけど、そんな人がいたこと今まで聞いたことがなかった。
「え!?そんな人いたの!?」
「うん、普通いるくない?」
「うん、いや、いるけど…そんな話聞いたことなかったから」
「まぁ俺も春休み前に聞いたばっかなんだけど」
「最近じゃん!」
凛空ちゃんに渡された椅子を左右に一つずつ小脇に抱えて、足りない場所へ持っていく。凛空ちゃんは左右に2つずつ抱えていた。
「ずっと顧問はいたけど、基本暁会長任せっていうか、会長が窓口でやってたから俺らが顧問と話すことなかっただけっぽいんだけど。1年の終わりに今年度も終わるからーってあいさつに来てさ」
そうなんだ、そんなことがあったんだ。顧問の存在気にしたことなかったし、いなくてもどうにかなってたから…でもなんでそのことを私は知らないんだろう。
「由夢いなかったから」
「え?」
「近澤ちゃんのことでそれどころじゃなくて」
「あー…」
通りで、知らないはずだ。
納得した、スッキリ全部納得した。
「凛空ちゃん、今ので全部解決したよ」
「ん?」
「私ね、この新入生歓迎会もぶっちゃけ全然わかってない!」
「だよねー、ほぼ聞いてなかったもんねー。よく椅子だけは並べてるなーって思ってたよー」
「凛空ちゃんのマネしとけばいいかなって!」
てへっごまかし笑いをして、愛嬌で乗り切ろうと思った。
明日の新入生歓迎会も新入生と同じ気持ちだった。
「生徒会の方も青リクの方もわかってないでしょ」
「あ、凛空ちゃんも青リクって呼ぶようになってる!」