【電子書籍化】内緒で出産したら、俺様御曹司と結婚することになりました。
「あの……晃輝さんは、どうしてニューヨークにいるんですか?」
そう言った後、その言い方では晃輝のことを知っているみたいだと思い、慌てて言葉を付け足す。
「日本人の名前だし、日本語で話しかけてきたので!」
「――仕事でたまたま来ただけだ」
ということは、普段は日本にいるということ?こっちに住んでいるわけではないのか。
それなら、日本に帰ってもまた会うことが出来るかもしれない。
「私も仕事で来たんですけど、海外に来るの初めてで……」
「ふっ……だろうな」
うわぁ、笑った……。
自分に向けられた初めての笑顔に感動してしまいそうになる。
今、話をできていることを昔の自分に教えてあげたい。
挨拶すらできなかった私に、いつか話ができるよって言いたい。
嬉しさでいっぱいの私は、いつの間にかハイペースでお酒を飲んでいた。
「おい、そんなに飲んで平気なのか?」
「らいじょうぶですぅ……わたし、酔わないのれす……」