神様が私の願いを最後に叶えてくれるなら


 手編みのマフラーと一緒に、春樹へ手渡す予定だった直筆の手紙。


 幼少の時からずっと好きだった、私の気持ちと愛の言葉が綴られてる。


 幼なじみへの告白という夢が叶わないまま、終わってしまうと思っていた。

 でも、妹がマフラーと手紙の入った紙袋ごと春樹に手渡してくれたおかげで……

 手紙を持った彼が、静かに私が眠る墓前に姿を見せてくれたんだ。


 私は春樹がそばにいるだけで嬉しいけど、彼はお墓に向けて何か言いに来たみたい。

 大きな溜息を吐いてるので、心配になった私は彼と顔を合わせるように向かい合って立つ。



 向かい合って立つけど、幽霊の私は彼から見えてない。

 そんなことを知らないまま、春樹が静かに口を開いた。




「この手紙、ぜんぶ読ませてもらったぜ……」




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