神様が私の願いを最後に叶えてくれるなら
高校二年生という多感な時期に、不運にも事故で命を落としてしまった私。
後悔がない人生といえば嘘になるけど、春樹への思いは伝えられた。
幽霊になって妹を怨んだりもしたけど、誤解してたみたい。
私が死んでこの世にいなくても、手紙とマフラーを春樹へ届けてくれたのだから。
おかげで、大好きだった片思いの幼なじみと……両思いになれたよ……
ありがとうね……
「さよなら、私の可愛い妹よ……」
幻想の中で見る妹の姿に向かって、伸ばした手の指先がキラキラと光の粒に変わる。
体が足下から浄化されて、私という存在が少しずつ消えて無になっていく。
周囲の輝く光に溶け込みながら、私は心の中で思っていた。
「神様が私の願いを最後に叶えてくれるなら」
近い将来、妹の赤ちゃんとして生まれ変わりたいな……
~ fin ~