大安吉日。私、あなたのもとへ参りますっ!
日織がどうしても行きたいと言うから仕方なく許可しているに過ぎないのだと言外に含めれば、佳穂がはぁ〜っと大きく溜め息を落とした。
「で、結局認めちゃったって言うの? 日織ちゃんがどうしても行きたいって言ったから?」
ここで冒頭の所に至ったわけだ。
佳穂があからさまに大きく溜め息をつきながら、
「ホント修太郎って何だかんだ言って日織ちゃんに頭上がらないし、甘々よね」
と、今更分かりきったことを突きつけてくる。
「それは……仕方ないだろう。僕には彼女を縛る権利はないんだから」
罰が悪そうにそう言った修太郎を見て、佳穂が「わ〜、意外」ってつぶやいて、椅子の背もたれから離れると、前のめりになった。
「ね、修太郎。本当にそう思ってる?」
探るように見つめられて、修太郎は思わず視線を逸らしたくなる。
だけどここでそんなことをしたら「そう思っていない」と言っているのと同義な気がして。
修太郎は佳穂の視線を真っ向から、1ミリも目を逸らさずに見つめ返した。
「で、結局認めちゃったって言うの? 日織ちゃんがどうしても行きたいって言ったから?」
ここで冒頭の所に至ったわけだ。
佳穂があからさまに大きく溜め息をつきながら、
「ホント修太郎って何だかんだ言って日織ちゃんに頭上がらないし、甘々よね」
と、今更分かりきったことを突きつけてくる。
「それは……仕方ないだろう。僕には彼女を縛る権利はないんだから」
罰が悪そうにそう言った修太郎を見て、佳穂が「わ〜、意外」ってつぶやいて、椅子の背もたれから離れると、前のめりになった。
「ね、修太郎。本当にそう思ってる?」
探るように見つめられて、修太郎は思わず視線を逸らしたくなる。
だけどここでそんなことをしたら「そう思っていない」と言っているのと同義な気がして。
修太郎は佳穂の視線を真っ向から、1ミリも目を逸らさずに見つめ返した。