大安吉日。私、あなたのもとへ参りますっ!
***
結局、日織が羽住酒造にたどり着いたのは、約束の時間の五分前で、結構ギリギリになってしまった。
別に遅れたわけではないけれど、初出勤?でこれはどうだろうと日織自身反省しきり。
蔵前の通路で右にうろうろ左にうろうろしながら同級生の羽住十升が待っていてくれたのも、申し訳なさに拍車をかけた。
「ギリギリになってしまってすみません! 家は早く出たのですっ。でもっ、あちこち見ながら楽しく〝お散歩〟していたら色々妄想が膨らんでしまってっ」
通勤、をお散歩と言い切ったことにも気付けないままにガバリと頭を下げた日織に、
「あ〜、いやっ。別に遅刻したわけじゃねぇし……それはいいんだけどさ」
てっきり、日織はあの〝おっかない男〟に、〝時間にゆとりを持った形〟で送られてくるものだとばかり思っていた十升は、あっちにフラフラこっちにフラフラしながら日織が一人、歩いてくるのを見た時には結構驚いたのだ。
結局、日織が羽住酒造にたどり着いたのは、約束の時間の五分前で、結構ギリギリになってしまった。
別に遅れたわけではないけれど、初出勤?でこれはどうだろうと日織自身反省しきり。
蔵前の通路で右にうろうろ左にうろうろしながら同級生の羽住十升が待っていてくれたのも、申し訳なさに拍車をかけた。
「ギリギリになってしまってすみません! 家は早く出たのですっ。でもっ、あちこち見ながら楽しく〝お散歩〟していたら色々妄想が膨らんでしまってっ」
通勤、をお散歩と言い切ったことにも気付けないままにガバリと頭を下げた日織に、
「あ〜、いやっ。別に遅刻したわけじゃねぇし……それはいいんだけどさ」
てっきり、日織はあの〝おっかない男〟に、〝時間にゆとりを持った形〟で送られてくるものだとばかり思っていた十升は、あっちにフラフラこっちにフラフラしながら日織が一人、歩いてくるのを見た時には結構驚いたのだ。