大安吉日。私、あなたのもとへ参りますっ!
きっと修太郎なら優しく日織を見守りながら流せる、〝よくある〟「妄想脱線娘」ぶりなのだが、十升には斬新すぎて付いて行ききれない。
何とあいづちを打てばいいのか分からないままに日織の話を聞いていたら、
「それと……青空をバックにした皇帝ダリアがすっごくすっごく綺麗だったのですっ。私が小人だったらきっと、あのお花をスカートにするのになぁとか考えてしまって、あちこちでついつい立ち止まってしまってました」
最初はギリギリに着いてしまったことをしゅんとして謝っていたはずなのに、道すがら感動したものを思い出していたら、つい前のめりになってしまった日織だ。
その迫力に圧倒された十升が、
「ひお……塚田さん?ってさ、元々そんな感じだったっけ?」
と聞いてしまったのも無理はないだろう。
何しろ、十升のイメージの中の日織は、もう少しおとなしい女の子だったのだから。
もしいま目の前にいるのが藤原――もとい塚田日織の本来の姿だとしたら、十升は日織のことを何にも分かっていなかったんだと改めて実感してしまう。
何とあいづちを打てばいいのか分からないままに日織の話を聞いていたら、
「それと……青空をバックにした皇帝ダリアがすっごくすっごく綺麗だったのですっ。私が小人だったらきっと、あのお花をスカートにするのになぁとか考えてしまって、あちこちでついつい立ち止まってしまってました」
最初はギリギリに着いてしまったことをしゅんとして謝っていたはずなのに、道すがら感動したものを思い出していたら、つい前のめりになってしまった日織だ。
その迫力に圧倒された十升が、
「ひお……塚田さん?ってさ、元々そんな感じだったっけ?」
と聞いてしまったのも無理はないだろう。
何しろ、十升のイメージの中の日織は、もう少しおとなしい女の子だったのだから。
もしいま目の前にいるのが藤原――もとい塚田日織の本来の姿だとしたら、十升は日織のことを何にも分かっていなかったんだと改めて実感してしまう。