大安吉日。私、あなたのもとへ参りますっ!
サラリと告げられた褒め言葉に、日織も気負わずそう返すことが出来たのは一斗の雰囲気が何となく修太郎に似たところがあるからだろうか。
日織が変なことを言っても穏やかに笑って包み込んでくれるような、そんなオーラを纏った優しいお兄ちゃん。
それが、同級生十升の兄、羽住一斗という男に対する日織のイメージだった。
「ひお、……塚田っ。お前、俺の時と態度違い過ぎだろ! 俺のとことも下の名前で呼べよな!?」
拗ねたように十升が言ってきたけれど、役得というものがあるんだから仕方がない。
一斗さんは優しい一斗さんで、十升はやっぱり幼い頃からいじめっ子の羽住くんなのだ。
「そ、それにっ! 何で兄貴が呼んだ時には文句言わねぇんだよ!」
続いてムスッとした口調で続けられた言葉に、日織はキョトンとする。
「――何がですか?」
十升の抗議の意味が分からなくて小首を傾げれば、
「はぁ!? お前っ、気付いてねぇのかよ! さっきから兄貴、お前のこと〝日織ちゃん〟って呼んでんだろーがっ」
と食い下がられた。
日織が変なことを言っても穏やかに笑って包み込んでくれるような、そんなオーラを纏った優しいお兄ちゃん。
それが、同級生十升の兄、羽住一斗という男に対する日織のイメージだった。
「ひお、……塚田っ。お前、俺の時と態度違い過ぎだろ! 俺のとことも下の名前で呼べよな!?」
拗ねたように十升が言ってきたけれど、役得というものがあるんだから仕方がない。
一斗さんは優しい一斗さんで、十升はやっぱり幼い頃からいじめっ子の羽住くんなのだ。
「そ、それにっ! 何で兄貴が呼んだ時には文句言わねぇんだよ!」
続いてムスッとした口調で続けられた言葉に、日織はキョトンとする。
「――何がですか?」
十升の抗議の意味が分からなくて小首を傾げれば、
「はぁ!? お前っ、気付いてねぇのかよ! さっきから兄貴、お前のこと〝日織ちゃん〟って呼んでんだろーがっ」
と食い下がられた。