大安吉日。私、あなたのもとへ参りますっ!
日織は無意識、一斗の笑顔にほだされるみたいにコクッと頷いてしまっていた。
「さあ、こんな寒いところでいつまでも立ち話も何だし……中、入ろっか。きっと親父が一人でヤキモキしてるよ?」
一斗は、未だに何か言い募ろうとする十升の前に片手をスッとかざすと、「この話はもう終いだよ?」と言わんばかりに制してしまう。
そうして自分のすぐ横に立つ日織の手をごくごく自然な様子で握った。
「可愛い日織ちゃんに風邪でもひかせちゃ、それこそ一大事だ。――行こう?」
日織も、修太郎以外の異性に手を引かれたというのに、何故か「ダメ」だという気持ちが湧いてこなくて、そのまま「はい」と応えて素直に従ってしまう。
その場に取り残された十升だけ一人、そんな二人の様子を見て、「絶対ヤベーだろ、これ」と思っていた。
「さあ、こんな寒いところでいつまでも立ち話も何だし……中、入ろっか。きっと親父が一人でヤキモキしてるよ?」
一斗は、未だに何か言い募ろうとする十升の前に片手をスッとかざすと、「この話はもう終いだよ?」と言わんばかりに制してしまう。
そうして自分のすぐ横に立つ日織の手をごくごく自然な様子で握った。
「可愛い日織ちゃんに風邪でもひかせちゃ、それこそ一大事だ。――行こう?」
日織も、修太郎以外の異性に手を引かれたというのに、何故か「ダメ」だという気持ちが湧いてこなくて、そのまま「はい」と応えて素直に従ってしまう。
その場に取り残された十升だけ一人、そんな二人の様子を見て、「絶対ヤベーだろ、これ」と思っていた。