大安吉日。私、あなたのもとへ参りますっ!
「お二人ともちゃんと目標を持ってお仕事に――というより家業に取り組まれていて、本当にすごいなって思ったのですっ!」
日織も、父親が会社を経営していると言う点では羽住兄弟と変わらない立場だったにも関わらず、よく考えてみたら自分の父親の仕事が何なのかすらよく分かっていないことに気付かされた。
「私、お父様が何のお仕事をなさっているのかすら分かっていない自分に気付かされて……その、恥ずかしくなったのです……」
「えっ? ちょっと待って、日織さん。……キミは……お義父さんが何のお仕事をなさっておられるのかご存知ない……?」
日織が嬉しそうに羽住酒造の話をするのが何となく面白くなくて、敢えて口を挟まず静かに彼女の話に耳を傾けていた修太郎だったけど、たったいま日織の口から飛び出した言葉にはさすがに驚かされてしまった。
ハンドルを握って前方を見つめたまま思わず心のままを口走ったら、視界の端で助手席の日織がしゅん……と縮こまったのが見えた。
「あ、いや……、すみません。僕は、そのっ、別に日織さんを責めているわけではなくて……ただ、その……お、驚かされただけと言うか……」
慌てて取り繕ってみたけれど、一度発した言葉は取り消せない。
自分のことを情けなく思っていると話している相手に対して、今のセリフは完全に失言だったと反省しきりの修太郎だ。
日織も、父親が会社を経営していると言う点では羽住兄弟と変わらない立場だったにも関わらず、よく考えてみたら自分の父親の仕事が何なのかすらよく分かっていないことに気付かされた。
「私、お父様が何のお仕事をなさっているのかすら分かっていない自分に気付かされて……その、恥ずかしくなったのです……」
「えっ? ちょっと待って、日織さん。……キミは……お義父さんが何のお仕事をなさっておられるのかご存知ない……?」
日織が嬉しそうに羽住酒造の話をするのが何となく面白くなくて、敢えて口を挟まず静かに彼女の話に耳を傾けていた修太郎だったけど、たったいま日織の口から飛び出した言葉にはさすがに驚かされてしまった。
ハンドルを握って前方を見つめたまま思わず心のままを口走ったら、視界の端で助手席の日織がしゅん……と縮こまったのが見えた。
「あ、いや……、すみません。僕は、そのっ、別に日織さんを責めているわけではなくて……ただ、その……お、驚かされただけと言うか……」
慌てて取り繕ってみたけれど、一度発した言葉は取り消せない。
自分のことを情けなく思っていると話している相手に対して、今のセリフは完全に失言だったと反省しきりの修太郎だ。