大安吉日。私、あなたのもとへ参りますっ!
「日織さん、お義父さんが扱っておられるのは『木材』です」
考えてみれば、木、という漠然とした言い方をした自分が悪かったのだ、きっと日織さんは悪くない、と反省しきりの修太郎だった。
「木、材……?」
修太郎がそう言って初めて、日織がハッとしたように息を呑んで。
「私、木ってそんな大きなもののことだなんて、想像も及びませんでしたっ!」
不覚なのですっ!と続けている日織を横目に、修太郎は
(もしもこの場に異母弟の健二がいたなら、「いや、日織さん! 普通はそっちが先に来るものですからね!?」とすぐさまツッコんでいただろうな?)
と思わずにはいられない。
けれど、あいにくというか幸いというか。〝日織という女性〟を熟知している修太郎は違うのだ。
彼は(日織さんなら斜め上の想像をして、ふんわりした妄想を繰り広げてきても何ら不思議ではないし、寧ろそうでなくちゃ彼女らしくない)とすら思っている。
思えば修太郎自身、まるでそれを期待するように、「この子は次にどんなことを言ってくるんだろう?」と、内心ワクワクしていたのだから。
案外最初の時「木材」と言わずに無意識に「木」という言葉を選んでしまったのだって、それを期待していたのかも知れないな?と、ひとり心の中で苦笑した修太郎だった。
考えてみれば、木、という漠然とした言い方をした自分が悪かったのだ、きっと日織さんは悪くない、と反省しきりの修太郎だった。
「木、材……?」
修太郎がそう言って初めて、日織がハッとしたように息を呑んで。
「私、木ってそんな大きなもののことだなんて、想像も及びませんでしたっ!」
不覚なのですっ!と続けている日織を横目に、修太郎は
(もしもこの場に異母弟の健二がいたなら、「いや、日織さん! 普通はそっちが先に来るものですからね!?」とすぐさまツッコんでいただろうな?)
と思わずにはいられない。
けれど、あいにくというか幸いというか。〝日織という女性〟を熟知している修太郎は違うのだ。
彼は(日織さんなら斜め上の想像をして、ふんわりした妄想を繰り広げてきても何ら不思議ではないし、寧ろそうでなくちゃ彼女らしくない)とすら思っている。
思えば修太郎自身、まるでそれを期待するように、「この子は次にどんなことを言ってくるんだろう?」と、内心ワクワクしていたのだから。
案外最初の時「木材」と言わずに無意識に「木」という言葉を選んでしまったのだって、それを期待していたのかも知れないな?と、ひとり心の中で苦笑した修太郎だった。