大安吉日。私、あなたのもとへ参りますっ!
***
「ところで日織さん、それは何ですか?」
日織が車に乗り込んできた時から、修太郎は彼女が大事そうに両手で抱えている包みが気になっていた。
ずっと中身を聞きたかった修太郎だけれど、運転中の身では見せられても吟味することが出来ないからと敢えて聞かずにいたのだ。
しかし、やっと車をマンションの駐車場に停めることが出来た今となっては、問い掛けずにはいられなくて。
日織は修太郎の言葉に、
「これですか? これは羽住くんのお父様からいただいた素敵なエプロンなのですっ。お部屋で付けてお見せしますねっ」
と、ソワソワした様子で修太郎を見上げてくる。
上目遣いをした日織から、「本当に素敵なので楽しみにしていてくださいねっ?」と付け加えられて、修太郎は真っ白でフリルたっぷりのフェミニンなやつ――それこそヴィクトリアン風のメイドさんもかくやと言ったエプロンを想像したのだけれど。
部屋に入るなり「これなのですっ!」と日織が付けて見せてくれたものは、どう見てもガーリーさのかけらもないいわゆる〝前掛け〟で。
「ところで日織さん、それは何ですか?」
日織が車に乗り込んできた時から、修太郎は彼女が大事そうに両手で抱えている包みが気になっていた。
ずっと中身を聞きたかった修太郎だけれど、運転中の身では見せられても吟味することが出来ないからと敢えて聞かずにいたのだ。
しかし、やっと車をマンションの駐車場に停めることが出来た今となっては、問い掛けずにはいられなくて。
日織は修太郎の言葉に、
「これですか? これは羽住くんのお父様からいただいた素敵なエプロンなのですっ。お部屋で付けてお見せしますねっ」
と、ソワソワした様子で修太郎を見上げてくる。
上目遣いをした日織から、「本当に素敵なので楽しみにしていてくださいねっ?」と付け加えられて、修太郎は真っ白でフリルたっぷりのフェミニンなやつ――それこそヴィクトリアン風のメイドさんもかくやと言ったエプロンを想像したのだけれど。
部屋に入るなり「これなのですっ!」と日織が付けて見せてくれたものは、どう見てもガーリーさのかけらもないいわゆる〝前掛け〟で。