大安吉日。私、あなたのもとへ参りますっ!
***
修太郎の言葉に、日織がじっと考える様な仕草をして。
そうしてポン!っと手を打つと、「アレとかどうかしら……」と、修太郎に聞こえるか聞こえないかの微かな声でつぶやいた。
「あ、あのっ。それは……私が修太郎さん〝に〟して差し上げたいことでも構いませんか?」
言って、日織がキラキラした目をして、いざるようにして修太郎の方へ身を乗り出してきて。
修太郎はその余りの迫力に思わず身を引いて、日織から「〝修太郎〟、逃げないの!」と叱られてしまう。
「すみませんっ」
思わず条件反射で謝ってしまってから、自分も時折日織を敢えて呼び捨てで呼ぶことがあるけれど、日織が自分をそうする時ほど効果絶大に思えなくて思わず苦笑してしまう。
日織はそんな修太郎の顔にそっと手を伸ばすと、掛けたままだった眼鏡を取って宮棚に載せた。
(一体この娘は何を企んでいるのだろう?)
日織の小さな手が動くアレコレに成すがままにされながら。彼女からの期待に満ちた視線を受けて、修太郎は内心タジタジだ。
日織が何を目論んでいるのか分からなくて、彼女の一挙手一投足に注目している修太郎の前で、日織はストン……とベッドから降りると、床の上にぺたんこ座りをしてから修太郎を見上げてくる。
修太郎の言葉に、日織がじっと考える様な仕草をして。
そうしてポン!っと手を打つと、「アレとかどうかしら……」と、修太郎に聞こえるか聞こえないかの微かな声でつぶやいた。
「あ、あのっ。それは……私が修太郎さん〝に〟して差し上げたいことでも構いませんか?」
言って、日織がキラキラした目をして、いざるようにして修太郎の方へ身を乗り出してきて。
修太郎はその余りの迫力に思わず身を引いて、日織から「〝修太郎〟、逃げないの!」と叱られてしまう。
「すみませんっ」
思わず条件反射で謝ってしまってから、自分も時折日織を敢えて呼び捨てで呼ぶことがあるけれど、日織が自分をそうする時ほど効果絶大に思えなくて思わず苦笑してしまう。
日織はそんな修太郎の顔にそっと手を伸ばすと、掛けたままだった眼鏡を取って宮棚に載せた。
(一体この娘は何を企んでいるのだろう?)
日織の小さな手が動くアレコレに成すがままにされながら。彼女からの期待に満ちた視線を受けて、修太郎は内心タジタジだ。
日織が何を目論んでいるのか分からなくて、彼女の一挙手一投足に注目している修太郎の前で、日織はストン……とベッドから降りると、床の上にぺたんこ座りをしてから修太郎を見上げてくる。