大安吉日。私、あなたのもとへ参りますっ!
「あ、あの……日織、さん……? 今のはその……」
「本気なのですっ」
修太郎の言いたいことなんてお見通しだと言わんばかりに日織が修太郎の両ももに手を載せたまま身を乗り出して。
「伴侶のことを愛しく思っているのは、修太郎さんだけじゃないのですっ!」
言って、日織がすぐ間近から修太郎を見上げてくる。
「今から私が修太郎さんに欠けているものをじっくり補って差し上げるのです。覚悟してくださいね?」
澄んだブラウンアイで見詰められて、頬に手を添えられた修太郎は言葉を失って。
「僕に……欠けているもの?」
と、呆然とつぶやく唇を日織がチュッと掠めるように一瞬だけ塞いだ。
「はい。修太郎さんには決定的に足りないものがひとつだけあるのですっ。それがいつもいつも私たちの間に波風を立てるんです。だから、絶対絶対見過ごせないのです!」
修太郎自身としては、ひとつどころか自分は欠けたところだらけだという自覚があるのだけれど、日織はそうは思っていないみたいだ。
「本気なのですっ」
修太郎の言いたいことなんてお見通しだと言わんばかりに日織が修太郎の両ももに手を載せたまま身を乗り出して。
「伴侶のことを愛しく思っているのは、修太郎さんだけじゃないのですっ!」
言って、日織がすぐ間近から修太郎を見上げてくる。
「今から私が修太郎さんに欠けているものをじっくり補って差し上げるのです。覚悟してくださいね?」
澄んだブラウンアイで見詰められて、頬に手を添えられた修太郎は言葉を失って。
「僕に……欠けているもの?」
と、呆然とつぶやく唇を日織がチュッと掠めるように一瞬だけ塞いだ。
「はい。修太郎さんには決定的に足りないものがひとつだけあるのですっ。それがいつもいつも私たちの間に波風を立てるんです。だから、絶対絶対見過ごせないのです!」
修太郎自身としては、ひとつどころか自分は欠けたところだらけだという自覚があるのだけれど、日織はそうは思っていないみたいだ。