大安吉日。私、あなたのもとへ参りますっ!
***
恐る恐ると言った様子で、日織の小さな手が修太郎のズボンの前立て付近に掛かる。
修太郎はその様を半ば呆然と夢でも見ているような気分で見下ろして――。
でも、日織が「んーっ! んーっ!」と小さな掛け声を掛けながら自分のズボンのボタンを開けるのに苦戦しているのを見ていたら、段々調子が戻ってきた。
指先が真っ白になるほど力を込めている日織の手をそっと包み込むと、「僕が」と声を掛けて自らズボンの前をくつろげてやる。
日織はそんな修太郎を驚いたような顔で見上げてきて。
「しゅ、修太郎さんはやっぱり力持ちなのですっ!」
と謎の感想を漏らした。
恐らく自分が一生懸命外そうとしても外せなかったボタンを、修太郎が片手でいとも簡単に開けてしまったことに感心しているのだろう。
そういう、日織のどこか幼くさえ見える無邪気なところがたまらなく愛しく思えた修太郎だ。
「あの、日織さん? そんなに無理はなさらなくても――」
恐る恐ると言った様子で、日織の小さな手が修太郎のズボンの前立て付近に掛かる。
修太郎はその様を半ば呆然と夢でも見ているような気分で見下ろして――。
でも、日織が「んーっ! んーっ!」と小さな掛け声を掛けながら自分のズボンのボタンを開けるのに苦戦しているのを見ていたら、段々調子が戻ってきた。
指先が真っ白になるほど力を込めている日織の手をそっと包み込むと、「僕が」と声を掛けて自らズボンの前をくつろげてやる。
日織はそんな修太郎を驚いたような顔で見上げてきて。
「しゅ、修太郎さんはやっぱり力持ちなのですっ!」
と謎の感想を漏らした。
恐らく自分が一生懸命外そうとしても外せなかったボタンを、修太郎が片手でいとも簡単に開けてしまったことに感心しているのだろう。
そういう、日織のどこか幼くさえ見える無邪気なところがたまらなく愛しく思えた修太郎だ。
「あの、日織さん? そんなに無理はなさらなくても――」