大安吉日。私、あなたのもとへ参りますっ!
 チュッ、チュッ……と愛らしいリップ音が自分の下腹部から聞こえてくるものの、本当に〝それだけ〟。

 舌でペロリと舐め上げられるとか、パクッと温かな口の中へ迎え入れてもらえるとか……およそ思いつくようなそんな〝ハプニング〟は皆無で。

 ただひたすらに期待でギンギンに()ち上がった愚息に、日織(ひおり)の柔らかな唇が掠めるように触れては離れるばかり。

 そんな状態が、かれこれ十分以上も続いているとなると、(さすがにこれは何の拷問ですかね!?)と聞きたくもなってくると言うもの。


「あっ、あの……日、織……さ、ん?」


 それでも大好きな日織が自分のそんなところに口づけをしてくれていると思うと、それだけで修太郎は大興奮で。

「あっ」


 これはこれで案外物凄いプレイなんじゃないかと錯覚しそうになってくる。
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