大安吉日。私、あなたのもとへ参りますっ!
日織の予期せぬ行動に思わずフリーズした修太郎の胸元をチョイッとつまんで引っ張ると、日織は修太郎の唇にかすめるようなキスを落とした。
「――! 日、織さ……っ」
車の中とはいえ、人通りの多いこんな環境で。
一瞬とはいえ日織からそんなことをしてもらえるとは思っていなかった修太郎は、唇を押さえて、まるで不可抗力のように真っ赤になった。
「ふふっ。照れた修太郎さん。すっごくすっごく可愛いのですっ。大好きです」
修太郎のそんな様子にクスッと笑うと、日織は「行ってまいります!」と告げるや否や、その隙を逃さずサッと車から降りてしまう。
「あっ、日織さんっ」
我に返った修太郎が呼びかけた時には、日織はポニーテールをユラユラと揺らしながら、走り去って行くところだった。
車内に取り残された修太郎は、
「行ってらっしゃいを言い損ねてしまったじゃないですか」
盛大な溜め息とともにひとりごちることしか出来なかった。
「――! 日、織さ……っ」
車の中とはいえ、人通りの多いこんな環境で。
一瞬とはいえ日織からそんなことをしてもらえるとは思っていなかった修太郎は、唇を押さえて、まるで不可抗力のように真っ赤になった。
「ふふっ。照れた修太郎さん。すっごくすっごく可愛いのですっ。大好きです」
修太郎のそんな様子にクスッと笑うと、日織は「行ってまいります!」と告げるや否や、その隙を逃さずサッと車から降りてしまう。
「あっ、日織さんっ」
我に返った修太郎が呼びかけた時には、日織はポニーテールをユラユラと揺らしながら、走り去って行くところだった。
車内に取り残された修太郎は、
「行ってらっしゃいを言い損ねてしまったじゃないですか」
盛大な溜め息とともにひとりごちることしか出来なかった。