大安吉日。私、あなたのもとへ参りますっ!
(ま、その前にゴムですね)
それがないから、いま日織に手を出すわけにはいかないのだ。
(しかし……そうなるとこの状況は結構拷問です)
と思ってしまった修太郎である。
「あの……ダメ、ですか?」
あれこれ考えて返事が遅れてしまったからだろう。
修太郎の気も知らないで、日織がそっと彼の胸元に小さな手を添えてきた。
それだけで思わず切ない吐息が漏れて、修太郎は(日織さん! お願いですからいまは僕を刺激しないでください!)と声にならない悲鳴を上げる。
「だっ、ダメじゃありません! 行きましょう! 日織さんの行きたいところ! ――どこへなりともお供します!」
それを誤魔化そうと彼女の手を引き剥がすようにギュッと握ってそう告げたら、やたらと張り切った感じにまくし立てた言い方になってしまって、日織にクスクスと笑われてしまった。
「おかしな修太郎さんなのですっ」
(ああ、僕の妻は何て凶悪に可愛んだろう!)
自分を見上げて楽しそうに笑う日織を見て、修太郎は、吐息混じりにそう思った。
それがないから、いま日織に手を出すわけにはいかないのだ。
(しかし……そうなるとこの状況は結構拷問です)
と思ってしまった修太郎である。
「あの……ダメ、ですか?」
あれこれ考えて返事が遅れてしまったからだろう。
修太郎の気も知らないで、日織がそっと彼の胸元に小さな手を添えてきた。
それだけで思わず切ない吐息が漏れて、修太郎は(日織さん! お願いですからいまは僕を刺激しないでください!)と声にならない悲鳴を上げる。
「だっ、ダメじゃありません! 行きましょう! 日織さんの行きたいところ! ――どこへなりともお供します!」
それを誤魔化そうと彼女の手を引き剥がすようにギュッと握ってそう告げたら、やたらと張り切った感じにまくし立てた言い方になってしまって、日織にクスクスと笑われてしまった。
「おかしな修太郎さんなのですっ」
(ああ、僕の妻は何て凶悪に可愛んだろう!)
自分を見上げて楽しそうに笑う日織を見て、修太郎は、吐息混じりにそう思った。