大安吉日。私、あなたのもとへ参りますっ!
そのまま日織の手が、そっと修太郎の眼鏡のツルに触れて。
「修太郎さん、家ではよく眼鏡を外していらっしゃるでしょう? それで先日、ちょっと手に取って見てみたんですけど……レンズにもフレームにもたくさん傷がついていることに気づいて驚かされたのですっ」
掛けている時には分からないような小さな傷や塗装の削れも、手にしてしげしげと眺めてみればよく見える。
修太郎が眼鏡を取るのは風呂や情事の時が主だから、必然的に日織は修太郎が眼鏡を外しているところに遭遇する機会が多くなるというわけだ。
「まぁ、この眼鏡ももう四年目ですからね」
フレームの寿命は大体二〜三年と言われている。
それを思うと、寿命を過ぎていることになるのだからガタがきていても当然なわけで。
最近はフィット感にも違和感を覚えるようになったし、レンズの小傷のせいで光がにじむようになって、眼が疲れやすくなった。
修太郎自身、そろそろ換え時だなとは思っていたところだ。
でも――。
この流れだと、もしや日織が買ってくれようとしているのではないかと不安に思ってしまった。
「修太郎さん、家ではよく眼鏡を外していらっしゃるでしょう? それで先日、ちょっと手に取って見てみたんですけど……レンズにもフレームにもたくさん傷がついていることに気づいて驚かされたのですっ」
掛けている時には分からないような小さな傷や塗装の削れも、手にしてしげしげと眺めてみればよく見える。
修太郎が眼鏡を取るのは風呂や情事の時が主だから、必然的に日織は修太郎が眼鏡を外しているところに遭遇する機会が多くなるというわけだ。
「まぁ、この眼鏡ももう四年目ですからね」
フレームの寿命は大体二〜三年と言われている。
それを思うと、寿命を過ぎていることになるのだからガタがきていても当然なわけで。
最近はフィット感にも違和感を覚えるようになったし、レンズの小傷のせいで光がにじむようになって、眼が疲れやすくなった。
修太郎自身、そろそろ換え時だなとは思っていたところだ。
でも――。
この流れだと、もしや日織が買ってくれようとしているのではないかと不安に思ってしまった。