大安吉日。私、あなたのもとへ参りますっ!
「どうもこうもないのですっ。眼鏡、私から修太郎さんへプレゼントしたいと思っているのですっ!」
修太郎だってのべつ幕なし日織にプレゼント攻撃したいのを我慢しているというのに。
何で彼女はこんなに呆気らかんと、そんなことが言えてしまえるんだろう?
「いや、今日は何でもない日ですよ?」
(僕の気も知らないで……)
そう思ったらちょっぴり悔しくなってしまった修太郎だ。
自然声が低まって、どこか日織のことを咎めるような口調になってしまった。
「――ほら、アリスの中でマッドハッターと三月うさぎも言ってるじゃないですか。『何でもない日ばんざーい』って!」
なのに日織はクスクス笑うと『不思議の国のアリス』の一説を持ち出して、おどけてみせる。
実際には『誕生日じゃない日』を祝うシーンだが、そんなこと今はどうでもいい。
「日織」
小さく吐息を落としながら、自分の言葉をはぐらかそうとする日織をたしなめようとしたら、
「もう! まだうだうだとゴネるおつもりですか?」
日織が愛らしい唇をムッと突き出して修太郎を下から怖い顔をして見上げてきた。
それだけで、すぐにタジタジになってしまう修太郎だ。
修太郎だってのべつ幕なし日織にプレゼント攻撃したいのを我慢しているというのに。
何で彼女はこんなに呆気らかんと、そんなことが言えてしまえるんだろう?
「いや、今日は何でもない日ですよ?」
(僕の気も知らないで……)
そう思ったらちょっぴり悔しくなってしまった修太郎だ。
自然声が低まって、どこか日織のことを咎めるような口調になってしまった。
「――ほら、アリスの中でマッドハッターと三月うさぎも言ってるじゃないですか。『何でもない日ばんざーい』って!」
なのに日織はクスクス笑うと『不思議の国のアリス』の一説を持ち出して、おどけてみせる。
実際には『誕生日じゃない日』を祝うシーンだが、そんなこと今はどうでもいい。
「日織」
小さく吐息を落としながら、自分の言葉をはぐらかそうとする日織をたしなめようとしたら、
「もう! まだうだうだとゴネるおつもりですか?」
日織が愛らしい唇をムッと突き出して修太郎を下から怖い顔をして見上げてきた。
それだけで、すぐにタジタジになってしまう修太郎だ。