大安吉日。私、あなたのもとへ参りますっ!
「いや、でも……」
思わず一歩後退りそうになったのを何とか堪えて言い訳しようとした修太郎に、「今月の五日は私のお給料日でした」と日織が言って。
「え?」
何の脈絡もなくいきなりそんなことを言われた修太郎は、思わず間の抜けた声を出してしまう。
「ですが、ご存知の通りその日はゴールデンウィークの真っ只中なのです。なのでっ」
今年の五月は日曜日から始まった。その関係で、前倒しになった日織の給料日は二日の月曜日だったらしい。
「実はお給料が振り込まれた日は大安だったのですっ。本当はその日に即日修太郎さんをお買い物に連れ出したかったのですが……」
妻が告げる言葉の意味が分からなくてキョトンとする修太郎を置き去りにして、日織はお構いなしに言葉を重ねる。
「その日は平日だったので諦めました」
「……はい」
分からないままに、日織の迫力に押されて思わず返事してしまった修太郎だ。
日織はそんな修太郎をじっと見上げながら言葉を続ける。
「今日はゴールデンウィーク明けの日曜日です。そうして何と……大安なのですっ! だから今日、私は修太郎さんに眼鏡をプレゼントすることにしたのです!」
思わず一歩後退りそうになったのを何とか堪えて言い訳しようとした修太郎に、「今月の五日は私のお給料日でした」と日織が言って。
「え?」
何の脈絡もなくいきなりそんなことを言われた修太郎は、思わず間の抜けた声を出してしまう。
「ですが、ご存知の通りその日はゴールデンウィークの真っ只中なのです。なのでっ」
今年の五月は日曜日から始まった。その関係で、前倒しになった日織の給料日は二日の月曜日だったらしい。
「実はお給料が振り込まれた日は大安だったのですっ。本当はその日に即日修太郎さんをお買い物に連れ出したかったのですが……」
妻が告げる言葉の意味が分からなくてキョトンとする修太郎を置き去りにして、日織はお構いなしに言葉を重ねる。
「その日は平日だったので諦めました」
「……はい」
分からないままに、日織の迫力に押されて思わず返事してしまった修太郎だ。
日織はそんな修太郎をじっと見上げながら言葉を続ける。
「今日はゴールデンウィーク明けの日曜日です。そうして何と……大安なのですっ! だから今日、私は修太郎さんに眼鏡をプレゼントすることにしたのです!」