大安吉日。私、あなたのもとへ参りますっ!
***
神前式で執り行うことが決まっていたふたりの式は、市内にある天馬氏――修太郎の父――縁の神社で行われた。
その神社は着付け会場とは少し離れていたから、新郎新婦の準備が整った後、式場が手配してくれた車で会場まで移動したのだけれど。
神社の近くを流れる錦川にかかった錦帯橋を見て、日織は修太郎にプロポーズされた日を鮮明に思い出していた。
あの日から怒涛のように入籍を済ませ、修太郎の妻になれたことを喜んだのも束の間。
父・日之進から挙式を済ませるまでは一緒には住まわせないと宣言されてしまい、すごくもどかしい日々を過ごしてきた。
今日の式を終えれば、晴れて日織は修太郎と枕を並べて寝起きし、二人で日常を重ねていくことが出来るようになる。
(やっと、なのですっ!)
週末には大抵修太郎の家にお泊まりしていたとはいえ、日織にとっては不満だらけの毎日だった。
(修太郎さんまでお父様と一緒になって赤ちゃんはダメだっておっしゃるんですもの! 私、すっごくすっごく寂しかったのです)
実際には身重での式にならないよう、それを阻止するために同棲を認めてもらえなかったのだけれど、日織にとってはただただ織姫と彦星みたいに引き離されているようにしか思えなかったのだ。
神前式で執り行うことが決まっていたふたりの式は、市内にある天馬氏――修太郎の父――縁の神社で行われた。
その神社は着付け会場とは少し離れていたから、新郎新婦の準備が整った後、式場が手配してくれた車で会場まで移動したのだけれど。
神社の近くを流れる錦川にかかった錦帯橋を見て、日織は修太郎にプロポーズされた日を鮮明に思い出していた。
あの日から怒涛のように入籍を済ませ、修太郎の妻になれたことを喜んだのも束の間。
父・日之進から挙式を済ませるまでは一緒には住まわせないと宣言されてしまい、すごくもどかしい日々を過ごしてきた。
今日の式を終えれば、晴れて日織は修太郎と枕を並べて寝起きし、二人で日常を重ねていくことが出来るようになる。
(やっと、なのですっ!)
週末には大抵修太郎の家にお泊まりしていたとはいえ、日織にとっては不満だらけの毎日だった。
(修太郎さんまでお父様と一緒になって赤ちゃんはダメだっておっしゃるんですもの! 私、すっごくすっごく寂しかったのです)
実際には身重での式にならないよう、それを阻止するために同棲を認めてもらえなかったのだけれど、日織にとってはただただ織姫と彦星みたいに引き離されているようにしか思えなかったのだ。