大安吉日。私、あなたのもとへ参りますっ!
「ここが、……気持ちいい、ですか?」

 聞くまでもなく、最奥の柔らかな壁をゆるゆると小刻みに突くたび、日織(ひおり)の中がうねくるように修太郎を締め付けてくるから、〝そこ〟が感じるポイントだというのは修太郎にも分かり切っていた。

 実際、修太郎もそうするたび日織の中が自分に絡みついてくるから、堪らなく気持ちいい。

「ひゃ、ぁんっ、……しゅぅたろぉ、さっ、そこ、……ダメぇっ。変、なの、ですっ」

 日織は早く動かすより、ゆっくりじっくり、彼女の中で修太郎が出たり入ったり……動いているのを認識させるような動き方をした方がより乱れることを修太郎は経験から知っている。

 自分はどういう動きでも、〝今、僕は大好きな日織さんの膣内(なか)にいるんだ〟と思うだけでいつだって爆発寸前になれるので何ら問題はない。

 むしろ――。

「んっ、日織っ、そんなっ、……締め付け、ないでっ? 持たなく、なってしまうっ」

 日織が感じてくれれば感じてくれるほど中の締め付けが強くなるので、すぐに果ててしまいそうで困るくらいだ。

「しゅ、たろぉさっ、……もぉ、私っ」

 言って、日織がギューッと修太郎にしがみついてくるのと同時、彼女の身体が小刻みにピクピクと揺れて。


「僕も、……もうっ」

 修太郎の精を吸い上げたいみたいに内壁がキューッと奥に向かって収縮を繰り返すから、修太郎もたまらず()かされてしまう。

「ふぇっ、な、かにっ、熱いの……がっ?」

 日織(ひおり)がまるで修太郎の吐精を感じたみたいに大きく瞳を見開くから。
 
 修太郎はそんな日織を抱きしめて「はい、いま、日織さんの中に初めて……出させて頂いて、います……っ」と《《わざと》》言葉にして彼女にそれを認識させる。

 途端、日織が嬉しそうにふんわり顔を(ほころ)ばせて、「嬉しい……っ」とつぶやいて。

 目尻からポロポロと、嬉し涙をこぼした。
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