大安吉日。私、あなたのもとへ参りますっ!
部活や勉強が忙しくなったからかな?と勝手に思って胸を撫で下ろしていた日織だけれど、そうだ。
羽住は中学では委員会活動やクラスの役員など、人が敬遠するような役回りに積極的に取り組む熱血漢タイプになっていたのだ。
小学生の頃から面倒見が良いお節介タイプで、元々そういう素地がある男子だとは思っていたけれど、変に関わってまたいじられるようになるのは嫌だったので、日織はそんな羽住と、これ幸いと極力接点を持たないようにしたんだった。
それで、すっかり忘れていた。
「……な、何となく思い出しただけなのですっ」
自分から、周りに壁を作っていたことを今更のように気付かされて、ちょっぴり恥ずかしくなってしまった日織だ。
うつむきがちにそう言ったら「そっか」と笑みを含んだ声で言われてふわりと頭を撫でられた。
その感触にビックリして思わず身体を引いたら「あ、悪ぃ、つい」と苦笑されて。
「私っ、夫がいる身なのでそういうのはやめて頂きたいのです」
眉根を寄せた日織に、羽住が淡く微笑んで「……そうだよな。お前、全然そう見えねぇけど……人妻なんだよな」と吐息を落とした。
羽住は中学では委員会活動やクラスの役員など、人が敬遠するような役回りに積極的に取り組む熱血漢タイプになっていたのだ。
小学生の頃から面倒見が良いお節介タイプで、元々そういう素地がある男子だとは思っていたけれど、変に関わってまたいじられるようになるのは嫌だったので、日織はそんな羽住と、これ幸いと極力接点を持たないようにしたんだった。
それで、すっかり忘れていた。
「……な、何となく思い出しただけなのですっ」
自分から、周りに壁を作っていたことを今更のように気付かされて、ちょっぴり恥ずかしくなってしまった日織だ。
うつむきがちにそう言ったら「そっか」と笑みを含んだ声で言われてふわりと頭を撫でられた。
その感触にビックリして思わず身体を引いたら「あ、悪ぃ、つい」と苦笑されて。
「私っ、夫がいる身なのでそういうのはやめて頂きたいのです」
眉根を寄せた日織に、羽住が淡く微笑んで「……そうだよな。お前、全然そう見えねぇけど……人妻なんだよな」と吐息を落とした。