大安吉日。私、あなたのもとへ参りますっ!
今日の同窓会もそうだけど、小学生の頃、羽住がやたらめったら日織にちょっかいを出していたのは、案外クラスで孤立しがちだった日織のことを気にしてくれていたのかも知れない。
「あの……もしかして今回の同窓会の幹事、羽住くんも……?」
ふとそう思って問い掛けたら「まぁな」とどこか含みを持った感じで笑われた。
そこで日織はハッとしたのだ。
「私にお知らせの葉書を寄越して下さったのは……」
――ひょっとして羽住くんなのですか?
そう続けようとしたけれど、「ハスミーン、アンタもこっち来て」と玉田の声が掛かって、返事は聞けず終いだった。
だけど多分きっと。
羽住は日織が来るから参加したような事を言っていたけれど、きっと来るようなきっかけを与えてくれたのもまた、彼なんだろう。
会が始まってすぐ、幹事のはずの羽住が、ずっと日織を気にしてそばを離れずにいてくれていたのも、恐らくは自分を気遣ってくれていたのだ。
そう思い至って、日織は父に連れられて行った羽住酒造で、兄の一斗と共に自分と一緒にいてくれた、ちょっぴり意地悪な男の子のことを、ほんの少しだけ懐かしく思い出した。
「あの……もしかして今回の同窓会の幹事、羽住くんも……?」
ふとそう思って問い掛けたら「まぁな」とどこか含みを持った感じで笑われた。
そこで日織はハッとしたのだ。
「私にお知らせの葉書を寄越して下さったのは……」
――ひょっとして羽住くんなのですか?
そう続けようとしたけれど、「ハスミーン、アンタもこっち来て」と玉田の声が掛かって、返事は聞けず終いだった。
だけど多分きっと。
羽住は日織が来るから参加したような事を言っていたけれど、きっと来るようなきっかけを与えてくれたのもまた、彼なんだろう。
会が始まってすぐ、幹事のはずの羽住が、ずっと日織を気にしてそばを離れずにいてくれていたのも、恐らくは自分を気遣ってくれていたのだ。
そう思い至って、日織は父に連れられて行った羽住酒造で、兄の一斗と共に自分と一緒にいてくれた、ちょっぴり意地悪な男の子のことを、ほんの少しだけ懐かしく思い出した。