大安吉日。私、あなたのもとへ参りますっ!
「あ、しゅ、修太郎さん、ごめんなさいっ! わ、私っ、今お電話を落としてしまって……それでっ」
修太郎の声にハッとした日織が慌ててそう応えたことに、繋がっている通話の先でホッとしたように吐息を落とす気配がして。
そうしてすぐ、いつもよりも低められた声音で、
『ところで日織。今の男は誰ですか?』
という言葉が聞こえてきた。
日織は、自分を呼び捨てにして問いかけられたどこか冷たい怒りを孕んだ修太郎の声に、ゾロリと背筋を撫でられた気がした。
「い、今の方は……同級生の――」
言おうとしたら、横からいきなりスマートフォンを取り上げられて
「初めまして、塚田さん。――俺、コイツ……あ、失礼。えっと……あなたの奥さんの幼なじみの羽住十升って言います」
まるで宣戦布告みたいに、羽住が日織の電話を奪って、わざとらしくそう自己紹介をした。
修太郎の声にハッとした日織が慌ててそう応えたことに、繋がっている通話の先でホッとしたように吐息を落とす気配がして。
そうしてすぐ、いつもよりも低められた声音で、
『ところで日織。今の男は誰ですか?』
という言葉が聞こえてきた。
日織は、自分を呼び捨てにして問いかけられたどこか冷たい怒りを孕んだ修太郎の声に、ゾロリと背筋を撫でられた気がした。
「い、今の方は……同級生の――」
言おうとしたら、横からいきなりスマートフォンを取り上げられて
「初めまして、塚田さん。――俺、コイツ……あ、失礼。えっと……あなたの奥さんの幼なじみの羽住十升って言います」
まるで宣戦布告みたいに、羽住が日織の電話を奪って、わざとらしくそう自己紹介をした。