大安吉日。私、あなたのもとへ参りますっ!
その迫力に羽住がたじろいだ隙に、日織がサッとスマートフォンを取り返す。
「――もしもし、修太郎さん?」
急いで耳に押し当てて話しかけた時には、日織の健闘虚しく通話は切れていて。
ツーツー……と非情なビジートーンが聞こえるばかり。
日織は、修太郎が怒ってしまったのだと思って泣きたくなった。
今日、同窓会に来るのだって、本当は修太郎が乗り気じゃなかったことを、日織は知っている。
でもワガママを言って連れて来てもらったのだ。
なのに――。
切れてしまったスマートフォンをギュッと握りしめてしばし立ち尽くしてから。
グッと下唇を噛み締めるようにして、日織はもう1度発信履歴から修太郎の連絡先を呼び出して。
震える指で発信ボタンをタップしたと同時――。
すぐ近くでブーブーと言うバイブ音がして、後ろから唐突に力強く抱きしめられた。
背後からで手の主は見えなかったけれど、大好きなシプレ系の爽やかなコロンの香りに包まれて、日織はすぐに自分を抱きしめたのが誰か分かった。
「しゅーたろぉ、さん……」
「……ごめん、なさい、日織。お迎えに……上がるの、が遅くなってしまいました」
修太郎の呼吸は少し乱れていて。
きっとここまで大急ぎで駆けつけてくれたんだろうと分かった日織の胸はキュン、と甘く疼いた。
「――もしもし、修太郎さん?」
急いで耳に押し当てて話しかけた時には、日織の健闘虚しく通話は切れていて。
ツーツー……と非情なビジートーンが聞こえるばかり。
日織は、修太郎が怒ってしまったのだと思って泣きたくなった。
今日、同窓会に来るのだって、本当は修太郎が乗り気じゃなかったことを、日織は知っている。
でもワガママを言って連れて来てもらったのだ。
なのに――。
切れてしまったスマートフォンをギュッと握りしめてしばし立ち尽くしてから。
グッと下唇を噛み締めるようにして、日織はもう1度発信履歴から修太郎の連絡先を呼び出して。
震える指で発信ボタンをタップしたと同時――。
すぐ近くでブーブーと言うバイブ音がして、後ろから唐突に力強く抱きしめられた。
背後からで手の主は見えなかったけれど、大好きなシプレ系の爽やかなコロンの香りに包まれて、日織はすぐに自分を抱きしめたのが誰か分かった。
「しゅーたろぉ、さん……」
「……ごめん、なさい、日織。お迎えに……上がるの、が遅くなってしまいました」
修太郎の呼吸は少し乱れていて。
きっとここまで大急ぎで駆けつけてくれたんだろうと分かった日織の胸はキュン、と甘く疼いた。