大安吉日。私、あなたのもとへ参りますっ!
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小さな日織の身体をすっぽりと包み込んで覆い隠してしまうほどの長身の男を見上げて、羽住は我知らず息を飲む。
床がフカフカなウィルトン織りのカーペットだったせいか、すぐそばに彼が近付くまで気配を感じなかった。
それで、急に横から日織に手が伸びてきたように錯覚して、やけにドキッとしたのはここだけの話だ。
自分たちの他にもたくさんの往来があったから、それに紛れたというのはあるだろう。
しかし、だ。
忍びか剣客じゃあるまいに、男に日織が抱き寄せられる寸前、羽住はほんの一瞬背中に物凄い殺気を感じた気がしたのだが、気のせいだよな?と自分に言い聞かせる。
小さな日織の身体をすっぽりと包み込んで覆い隠してしまうほどの長身の男を見上げて、羽住は我知らず息を飲む。
床がフカフカなウィルトン織りのカーペットだったせいか、すぐそばに彼が近付くまで気配を感じなかった。
それで、急に横から日織に手が伸びてきたように錯覚して、やけにドキッとしたのはここだけの話だ。
自分たちの他にもたくさんの往来があったから、それに紛れたというのはあるだろう。
しかし、だ。
忍びか剣客じゃあるまいに、男に日織が抱き寄せられる寸前、羽住はほんの一瞬背中に物凄い殺気を感じた気がしたのだが、気のせいだよな?と自分に言い聞かせる。