大安吉日。私、あなたのもとへ参りますっ!
「……羽住くんのこと、ですか?」
多分羽住絡みだ。
では羽住との何がいけなかったのか?と問われたらスパッと答えられない日織だったけれど、それくらいしか思いつけないのもまた事実で。
(もしかしたら……お電話で羽住くんが失礼な物言いをなさったのがいけなかったの?)
あれこれ思いながら恐る恐る羽住の名を出せば、掴まれた手にわずか力が込められる。
どうやら正解みたいだ。
でも――〝羽住との何が?〟が、日織には分からない。
「あのっ、……」
日織が未だハッキリと自覚できない答えを探して口を開こうとしたら、それを遮るように修太郎が言った。
「――今夜は、ここに泊まれるよう部屋を取ってあります」
「えっ?」
土曜日とは言え、今日は修太郎のところへ泊まる算段にはなっていなかったはずだ。
当然泊まりの準備などもしていない。
そう言い募ろうとしたら、まるで有無を言わせない、と言われているみたいな淡々とした調子で続けられた。
多分羽住絡みだ。
では羽住との何がいけなかったのか?と問われたらスパッと答えられない日織だったけれど、それくらいしか思いつけないのもまた事実で。
(もしかしたら……お電話で羽住くんが失礼な物言いをなさったのがいけなかったの?)
あれこれ思いながら恐る恐る羽住の名を出せば、掴まれた手にわずか力が込められる。
どうやら正解みたいだ。
でも――〝羽住との何が?〟が、日織には分からない。
「あのっ、……」
日織が未だハッキリと自覚できない答えを探して口を開こうとしたら、それを遮るように修太郎が言った。
「――今夜は、ここに泊まれるよう部屋を取ってあります」
「えっ?」
土曜日とは言え、今日は修太郎のところへ泊まる算段にはなっていなかったはずだ。
当然泊まりの準備などもしていない。
そう言い募ろうとしたら、まるで有無を言わせない、と言われているみたいな淡々とした調子で続けられた。