大安吉日。私、あなたのもとへ参りますっ!
 日織(ひおり)が着るとダボついて見えてしまう、ミニスカート丈みたいな自分のシャツも、そこから覗く(なまめ)かしい白い太腿(ふともも)も。

 (すそ)から手を這い登らせていくとやがて到達する小さくて愛らしいレースつきのショーツも。
 そこに包まれた薄い翳りのなかに潜んだ感度のいい蜜壺も。
 何もかもが修太郎(しゅうたろう)には愛しくてたまらない。


()()、抱かせて?」

 修太郎(しゅうたろう)が耳朶を()むようにして熱っぽく強請(ねだ)ると、彼の腕の中の小さな身体が困ったようにピクリと身じろいだ。

「さ、昨夜もいっぱい」
 ――愛していただいたのです……。

 語尾をゴニョゴニョと誤魔化すようにか細く漏らす日織を、修太郎は無茶苦茶に突いて揺さぶって、言葉も発せられないぐらいに乱れさせて泣かせてしまいたくなる。

 昨夜もこの身体が極限まで昇り詰めて、ほんのり薄桃色に染まったことは、日織を乱れさせた張本人である修太郎は百も承知だ。

 今、少しだけ肌蹴た日織の胸元には、夜通しかけて修太郎が無数につけた(あか)鬱血(うっけつ)のあとがあちこちに散りばめられている。


「否定しないってことは、OKだと判断して構いませんよね?」

 昨夜愛した妻の身体を、今朝も可愛がって何が悪いというのだろう?

 これから先だってずっと。

 修太郎はそうやって、この美しい身体は自分だけのものなのだと、まるで彼女に言い聞かせるように抱き続けていくつもりなのだ。
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