大安吉日。私、あなたのもとへ参りますっ!
6.妻からの叱責*
日織が頭を振ったことで、目に溜まっていた涙が洗面台にキラリと舞った。
こんな状況だと言うのに、修太郎は一瞬その様に見惚れてしまう。
「私はっ。修太郎さんが大好きなのですっ。なのに……何でそんなこともお分かりにならないのですかっ!?」
上半身は、肩にただ引っ掛かっているだけの不安定な下着姿のまま。
全身をほんのりと桃色に染めて。
線が細くて小さくて、おまけに色素まで薄めの日織は、一見とても儚げに見える。だけどその実一本筋が通っていて、自分が知る他の誰よりもお強いのではないかと修太郎は思った。
「修太郎さんは本ッ当に! どうしようもないお馬鹿さんなのですっ!」
日織からの辛辣な言葉の数々に、彼女の手首を縛める修太郎の手の力がほんの少し弱まった。そのタイミングを逃さず、日織は修太郎の束縛からスルリと抜け出す。
そうしてそのまま修太郎から距離を取って逃げ出すのかと思いきや、勢いよく背後の修太郎を振り返った。
こんな状況だと言うのに、修太郎は一瞬その様に見惚れてしまう。
「私はっ。修太郎さんが大好きなのですっ。なのに……何でそんなこともお分かりにならないのですかっ!?」
上半身は、肩にただ引っ掛かっているだけの不安定な下着姿のまま。
全身をほんのりと桃色に染めて。
線が細くて小さくて、おまけに色素まで薄めの日織は、一見とても儚げに見える。だけどその実一本筋が通っていて、自分が知る他の誰よりもお強いのではないかと修太郎は思った。
「修太郎さんは本ッ当に! どうしようもないお馬鹿さんなのですっ!」
日織からの辛辣な言葉の数々に、彼女の手首を縛める修太郎の手の力がほんの少し弱まった。そのタイミングを逃さず、日織は修太郎の束縛からスルリと抜け出す。
そうしてそのまま修太郎から距離を取って逃げ出すのかと思いきや、勢いよく背後の修太郎を振り返った。