大安吉日。私、あなたのもとへ参りますっ!
所々に修太郎が激情に任せて刻みつけた赤い鬱血の痕が見えるのがまた堪らなくエロティックで。
だけどそれにも気付かない様子の日織は、至極真剣に何かを考えあぐねている様子だった。
その、どこか張り詰めた空気が、修太郎に日織の肌へ手を伸ばすのをギリギリのところで躊躇わせるのだ。
ややして、日織はその戸惑いをふぅっと吐息とともに吐き出すと、意を決したように真っ直ぐな瞳で修太郎をひたと見据えてきた。
「――実は私、羽住くんから酒蔵祭りの売り子をしないかと誘われました。私、日本酒大好きですし……羽住酒造の吟醸酒、『波澄』も大好きなんです。だから……。私っ! 修太郎さんはお嫌でしょうけれど……酒蔵祭りのお手伝いにどうしても行きたいのですっ!」
日織の決意に燃える表情を見て、修太郎はつい1ヶ月ばかり前のバレンタインの日、一葉の葉書を修太郎に見せながら、同窓会に「どうしても行ってみたいのですっ!」と打診してきた日織の表情を思い出していた。
だけどそれにも気付かない様子の日織は、至極真剣に何かを考えあぐねている様子だった。
その、どこか張り詰めた空気が、修太郎に日織の肌へ手を伸ばすのをギリギリのところで躊躇わせるのだ。
ややして、日織はその戸惑いをふぅっと吐息とともに吐き出すと、意を決したように真っ直ぐな瞳で修太郎をひたと見据えてきた。
「――実は私、羽住くんから酒蔵祭りの売り子をしないかと誘われました。私、日本酒大好きですし……羽住酒造の吟醸酒、『波澄』も大好きなんです。だから……。私っ! 修太郎さんはお嫌でしょうけれど……酒蔵祭りのお手伝いにどうしても行きたいのですっ!」
日織の決意に燃える表情を見て、修太郎はつい1ヶ月ばかり前のバレンタインの日、一葉の葉書を修太郎に見せながら、同窓会に「どうしても行ってみたいのですっ!」と打診してきた日織の表情を思い出していた。