君との恋の物語-Red Pierce-
愛
大学最初の夏休みがきた。
うちの大学の場合、夏休みは7月の半ばから8月いっぱいだ。
俺とさぎりは、休みに入ると同時に合宿免許に参加し、8月の頭には二人揃って運転免許を取得した。
当然のことながら、合宿中も俺達はずっと一緒だった。
おかげで寂しさを感じることも、合宿に退屈することもなく過ごせた。
そして、8月の中旬。
お盆を過ぎた平日に、俺達は初めて2人で旅行に行くことにした。
今日はその話をするために、いつもの喫茶店にきている。
「初心者だし、まずは近場の方がいいかな?日光とか。」
確かに。そうかもしれない。
さすがに俺もまだ高速に乗る自信はない。。
『確かにな。日光なら高速に乗らなくてもすぐ行けるし!』
「うん!いろは坂はちょっと心配だけどねっ」
そう言って笑い合った。
この頃には、俺達はもう何度もデートをしてきたし、泊まりにも行っていた。同じ年頃のカップルがどうかは知らないけど、一緒にいる時間は大分長いと思う。
それでも飽きるどころかどんどん楽しくなっているんだから、さぎりは俺にとって本物の相手なんだろうなと思っている。
さぎりにとっても、俺は少なくとも元カレよりは合ってると思う。なにかあればすぐ言ってくるし、一緒にいたいと言われれば泊まりに行くくらいの金は俺にもあったからな。
そんなことが何度かあって、俺は結構本気で一人暮らしを計画している。
出版社の加藤さんからもらう仕事もここのところ増えてきているし、仕事に集中するためにも自分だけの空間はほしい。
家でもいいけど、家族がいると自分のタイミングで動けないこともあるしな。
「ねぇ、詩乃?」
さぎりが俺の顔を覗き込んでいた。
『ん?なんだ?』
しまった。ちょっと考え込んでいた。
「いや、どうしたのかなと思って。考え事?」
『まぁ、そんなところ。悪い。で、旅行先な!日光で決定して宿探すか!』
「うん!」
さぎりはいつもの笑顔に戻っていた。
俺はこの笑顔に、既に何度も助けられている。
俺は、ずっとこの笑顔を見ていたい。
その為にも、やっぱり一人暮らしがしたい。
「ねぇ、詩乃。。あのさ」
喫茶店を出て駅へ向かう道で、さぎりは深刻そうに切り出した。
『ん?どうした?』
すると、少し沈黙。
どんどん表情が沈んでいく。思わず足を止めた。
『なんだ?なにかあったのか?』
さっきまでの笑顔はどうした?まるで別人だぞ。
「詩乃はさ、私達が付き合い始めたことについて、誰かになにか言われたことある?」
どういう意味だ?いまいち意図が読み取れない。
『どういうことだ?』
こういう時は、素直に聞くに限る。
「私、この間久しぶりに高校の時の友達に会ったの。あ、前にバイト先に、高校の時の友達が別店舗からヘルプに来た話、したでしょ?その子の、彼女なんだけど。」
あぁ、その話なら覚えている。
『うん。』
相槌だけは打つ。その方がしゃべりやすいからな。
「そしたら、元カレと、どうなの?って聞かれて。。別れたこと、言ってなかったから。だから、正直に話したんだ。別れて、別の人と付き合ってるって。」
なるほど。少し読めてきた。
『うん』
「その子、えっと、夏織って言うんだけど。夏織は、基本あんまり人に怒ったり、厳しいことを、言ったりしないんだけど…」
『何か言われたのか?』
「んん、言われてない。でも、なんかちょっと冷たくて…軽蔑されちゃったのかなって。。」
やっぱりな。まぁ、遅かれ早かれこんなことは起きるんじゃないかと思っていた。
元カレと別れてから俺と付き合うまで、確かに早かったしな。でも
『気にする必要ないだろ。当事者の俺がなにも気にしてないんだから。何か言われるようなら、じゃどれだけ日数開けたらいいんだって逆に聞いてやればいいんだよ。』
「うん。そうだよね。。」
納得は行ってない様子だった。けど、こちらとしてはもう付き合い始めているんだし、今更他人にどうこう言われる筋合いもないんだ。気にするな、としか言いようがない。
さぎりはそのままバイトに向かった。
俺は一旦家に帰ったが、どうにも気になっていた。。
携帯の、予定共有画面を開くと、さぎりの今日のあがりは21時。
仕方ない。行くか。
20時45分には通りを挟んで道の反対にあるコンビニに着いた。
さぎりにはメールで知らせてある。
それにしても、どこにでもいるんだな。人の恋路に口挟むやつは。
人それぞれ正解があるのは別にいいけど何故それを人に押し付けるんだろう。っていうか、人の恋路に何を期待してんだよ。全く意味がわからない。
なんで今の幸せにわざわざ水を差す必要があるんだよ。俺らがお前らになにをしたんだよって話だ。
なんどと考えていたら21時を回っていた。
見たところ店も混んでなさそうだったし、すぐ出てくるだろう。
しばらく店の方を見ていると、さぎりが出てきた。一緒に出てきたのは、バイト仲間か?同じ世代の男みたいだな。
車が来ていないことを確認して、さぎりが小走りでコンビニの方に渡ってきたので、俺も外に出た。
「来てくれたんだね。ありがと」
既に少し泣きそうな表情だ。
『様子が気になったからな。さぎりは、気にしなくていい。』
言い終えるかどうかのタイミングで勢いよく抱きつかれた。
「ありがとう。」
ゆっくりと抱きしめ返した。
あぁ、付き合い始めた日も、こうだったな。
『気にしなくていい。今日俺が会いにきたとも、友達のことも』
「うん。。ありがと。」
『明日、バイトは?』
「んん、休み。」
それは好都合。
『よし、泊まりに行くか。』
「え?」
『明日、休みなんだろ?』
「まぁ、そうだけど。。いいの?」
当たり前だろう。何のためにきたと思ってる?笑
『いいよ。この辺でいいか?』
「うん、でも私、お金が。。」
『大丈夫だって。ほら、行くぞ!』
さぎりはしっかりと俺の左腕にくっついてきた。
それだけ力があれば大丈夫だな。
小山駅から少し離れたところにあるホテルにきた。
ここは、俺達が割とよく使うホテルだ。
俺達は、泊まりの時はまず最初に風呂に入る。
もちろん2人一緒にだ。
時々悪ふざけのつもりで始めた前戯に夢中になってそのまま浴室で…ということもあるが、一度2人とものぼせてしまってからはなくなった。
風呂にお湯を溜め始めてから約10分間は暇だ。
今日は2人でならんでソファーに座った。
少しの酒とつまみも買ってきている。
未成年?知るか。大学生なんて皆こんなもんだろ。
「詩乃、いつも来てくれてありがとね。私、本当すぐ弱るから…察して会いに来てくれるのって、本当に嬉しくて、安心するの。」
俯き気味だったさぎりは、そう言って俺の方を向いた。
告白の返事をもらった時の表情に似ている。
静かに、でも強い意志のある表情だ。
「大好き。詩乃、ずっと一緒にいてね。」
そう言うと、答える間もなく俺の唇に唇を重ねてくる。そのまま舌も入れてきた。
珍しい。さぎりがこんなに積極的なんて。
しばらく舌を絡め合って、どちらからともなく離れた。
『俺もさぎりが大好きだ。俺は、誰よりもお前を見ているし、想っている。だから、なにも心配するな』
少し涙目のさぎりは、何度も頷いた。
「うん。うん。」
『大丈夫だ。もう泣くな。』
すると、少し笑った。
「詩乃、付き合い始めた日もそう言ってくれたね。」
そうだな。
『何度だって言うよ。さぎりが安心するまで』
そう言って今度俺の方から身体を寄せた。
そのままソファーに押し倒し、唇から舌を入れる。
「ん…ん」
少し身体を捩りながら、快感に耐えるさぎりを見て更に興奮する。
さぎりのスカートに手を入れ、太腿の辺りを撫で回し、そのまま恥丘へと手を伸ばした。
「あっ…やっ」
さぎりの顔が更に色っぽくなる。
『やめていいのか?こんな半端なところで?』
更に顔を赤くするさぎり。
「んん、やめないで…もっと、…良くして」
俺は最高に興奮した。
さぎりの両足首を持ち、顔の方へとV字に折り返した。
「やっ!恥ずかしい。。」
『だめだ、全部見せろ。』
そのまま下着を身体の後ろ側から前側を通して足首にあたりまで持ってくる。
露わになった下半身がびくびくと動いていた。
『やだとか言いながら、興奮してるだろ?』
「そんなこと。、」
少し乱暴に恥部へと指を入れて掻き回す。
さぎりの喘ぎ声が部屋中に響いた。
その体制のまま自分の鞄へと手を伸ばし、避妊具を取り出して手早く着ける。
さらにさぎりの足首を持ったまま強引に恥部へと俺のモノを押し込んだ。
「うあぁっ!」
『どうした?もうイッたのか?まだまだこれからだぞ』
そのまま自分の気持ち良いリズムで腰を動かし、さぎりの中に射精した。
興奮した。
性行為中のさぎりは従順で、とにかく感じやすく締まりがいい。
俺は、絶頂を堪える快感を数分味わった後容赦なく射精する。
俺達は、身体の相性もいいようだ。
下半身だけを露わにし、ソファーの背もたれに背を向けたまま、さぎりは大きく身体を揺らして荒い息を整えていた。
「詩乃、手を握って。。」
俺は黙ってさぎりの手を握った。
『良かったか?』
「うん、あのね、今日は、いっぱいしてほしいの。」
!
本当に珍しい日だな。
その後、一緒に風呂に入った。
お互いの髪と身体を洗い、湯船に浸かった。
俺のモノは既に力を取り戻し、さぎりの身体を求めていた。
さぎりの方も同じようで、触ってみるとずっと濡れていた。
身体と髪を拭いて、ローブを羽織ったら、今度はベッドに向かった。
普段は従順なさぎりが、今日はヤケに積極的で、俺を壁に寄り掛からせると、いきなり俺の脚の間に入って身体を丸めた。
俺のモノを両手で包み、ゆっくりと上下に動かして、すぐに口に含んだ。
今度は顔を上下に動かしながら、舌でさらに刺激してくる。
『うっ』
俺の脚の間で顔を上げたさぎりが聞く
「きもちい?」
『あぁ、最高だ。』
そこからは更に俺の身体をよじ登るように身体を寄せ、俺をベッドに押し倒した。
そのまま舌を唇に突っ込まれ、舐め回される。
『うっん…』
思わず声が漏れた。なんだこれ。興奮する。
そのまま俺の首筋を舐めまわし、今度は乳首を責められた。
「ねぇ、気持ち良い?」
珍しく挑発的な目で俺を見ながら、挑発的な口調で言う。
いつの間にかまたさぎりの口は俺のモノを捉えていた。
まずい。。
絶頂することを察したのから急にさぎりが俺のモノから口を離した。
「だめ、出すのはこっちにして。」
手早く避妊具を着け、俺の腰に跨った。
『うぅ』
最高潮に膨張した俺のモノがさぎりの恥部をゆっくりと押し拡げていく。
「あぁ!ぁんっ!」
絶頂するのを必死に堪えた。
さぎりはゆっくりと腰を前後に動かし始めた。
次第に激しく、胸を揺らしながら喘ぎ続けた。
俺は、さぎりの中で盛大に射精した。
多分、今までで1番多く出た。
さぎりは脈打つ俺のモノを飲み込んだまま、天井を見上げてビクビクと痙攣していた。
落ち着きを取り戻したさぎりが俺の身体から降りると、まだ興奮していたのか、避妊具がさぎりの側に着いたまま離れ、俺のモノが剥き出しになった。
「詩乃。愛してる。いつか、詩乃の子供を産ませてね。」
意識が薄れていく。
『あぁ、そうだな。』
ちゃんと喋れていたかわからなかった。。
『悪い、寝てたみたいだ』
少し微睡んでいたみたいだ。
多分、15分くらい。
「んん、私も。」
少し身体が冷えていた。
『風呂、入ろうか?』
「うん。」
湯船に浸かりながら、少し話をした。
『今すぐにとは行かないけど、一人暮らしをしたいと思ってる。』
「え?そうなの?」
さぎりが俺の手を強く握る。
大丈夫だよ。
『うん、仕事部屋がほしいんだ。どうしても、1人で集中しないとできないから。それに』
「それに?」
『さぎりがいつでも泊まりに来られるようにしたいんだ。』
途端にさぎりの顔がパッと明るくなる
「本当!嬉しい!」
そう言ってまた抱きつく。
本当、最高だな。
さぎりがいれば、他に何もいらないとすら思える。
『もちろん!学校の近くなら家賃も安いし、今の仕事は結構稼げてるし、成績も落ちてない。ここまで揃ってるなら、親を説得できるかもしれない。』
「そっか、実現したらいいな。」
うっとりとした表情のさぎり。
可愛いな。これからもずっとこの顔を見ていたい。
友達とのことは、すっかり忘れられたようだ。
ひとまず大丈夫そうだな。
「詩乃、私ね。」
『ん?』
「友達とのことでちょっと落ち込んでたけど、もう大丈夫!詩乃がいてくれたら幸せだし!詩乃と別れることなんてないもん!こんな私を見てたら、友達も、いつか応援してくれると思うんだ。だから、今は、詩乃との幸せだけ味わってたい」
『そうだな。まずは俺達がお互いの気持ちをわかっていればいいんだよ。周りの言うことは、気にしなくていい。』
「うん。そうだね。今日も、来てくれてありがとう!私、本当幸せだよ。」
『あぁ、俺もだ。』
俺は湯船の中でさぎりを抱きながら幸せを噛み締めた。
「ねぇ、上がったら、もっかいしよ?」
いいだろう。今日は寝させないぞ?笑
うちの大学の場合、夏休みは7月の半ばから8月いっぱいだ。
俺とさぎりは、休みに入ると同時に合宿免許に参加し、8月の頭には二人揃って運転免許を取得した。
当然のことながら、合宿中も俺達はずっと一緒だった。
おかげで寂しさを感じることも、合宿に退屈することもなく過ごせた。
そして、8月の中旬。
お盆を過ぎた平日に、俺達は初めて2人で旅行に行くことにした。
今日はその話をするために、いつもの喫茶店にきている。
「初心者だし、まずは近場の方がいいかな?日光とか。」
確かに。そうかもしれない。
さすがに俺もまだ高速に乗る自信はない。。
『確かにな。日光なら高速に乗らなくてもすぐ行けるし!』
「うん!いろは坂はちょっと心配だけどねっ」
そう言って笑い合った。
この頃には、俺達はもう何度もデートをしてきたし、泊まりにも行っていた。同じ年頃のカップルがどうかは知らないけど、一緒にいる時間は大分長いと思う。
それでも飽きるどころかどんどん楽しくなっているんだから、さぎりは俺にとって本物の相手なんだろうなと思っている。
さぎりにとっても、俺は少なくとも元カレよりは合ってると思う。なにかあればすぐ言ってくるし、一緒にいたいと言われれば泊まりに行くくらいの金は俺にもあったからな。
そんなことが何度かあって、俺は結構本気で一人暮らしを計画している。
出版社の加藤さんからもらう仕事もここのところ増えてきているし、仕事に集中するためにも自分だけの空間はほしい。
家でもいいけど、家族がいると自分のタイミングで動けないこともあるしな。
「ねぇ、詩乃?」
さぎりが俺の顔を覗き込んでいた。
『ん?なんだ?』
しまった。ちょっと考え込んでいた。
「いや、どうしたのかなと思って。考え事?」
『まぁ、そんなところ。悪い。で、旅行先な!日光で決定して宿探すか!』
「うん!」
さぎりはいつもの笑顔に戻っていた。
俺はこの笑顔に、既に何度も助けられている。
俺は、ずっとこの笑顔を見ていたい。
その為にも、やっぱり一人暮らしがしたい。
「ねぇ、詩乃。。あのさ」
喫茶店を出て駅へ向かう道で、さぎりは深刻そうに切り出した。
『ん?どうした?』
すると、少し沈黙。
どんどん表情が沈んでいく。思わず足を止めた。
『なんだ?なにかあったのか?』
さっきまでの笑顔はどうした?まるで別人だぞ。
「詩乃はさ、私達が付き合い始めたことについて、誰かになにか言われたことある?」
どういう意味だ?いまいち意図が読み取れない。
『どういうことだ?』
こういう時は、素直に聞くに限る。
「私、この間久しぶりに高校の時の友達に会ったの。あ、前にバイト先に、高校の時の友達が別店舗からヘルプに来た話、したでしょ?その子の、彼女なんだけど。」
あぁ、その話なら覚えている。
『うん。』
相槌だけは打つ。その方がしゃべりやすいからな。
「そしたら、元カレと、どうなの?って聞かれて。。別れたこと、言ってなかったから。だから、正直に話したんだ。別れて、別の人と付き合ってるって。」
なるほど。少し読めてきた。
『うん』
「その子、えっと、夏織って言うんだけど。夏織は、基本あんまり人に怒ったり、厳しいことを、言ったりしないんだけど…」
『何か言われたのか?』
「んん、言われてない。でも、なんかちょっと冷たくて…軽蔑されちゃったのかなって。。」
やっぱりな。まぁ、遅かれ早かれこんなことは起きるんじゃないかと思っていた。
元カレと別れてから俺と付き合うまで、確かに早かったしな。でも
『気にする必要ないだろ。当事者の俺がなにも気にしてないんだから。何か言われるようなら、じゃどれだけ日数開けたらいいんだって逆に聞いてやればいいんだよ。』
「うん。そうだよね。。」
納得は行ってない様子だった。けど、こちらとしてはもう付き合い始めているんだし、今更他人にどうこう言われる筋合いもないんだ。気にするな、としか言いようがない。
さぎりはそのままバイトに向かった。
俺は一旦家に帰ったが、どうにも気になっていた。。
携帯の、予定共有画面を開くと、さぎりの今日のあがりは21時。
仕方ない。行くか。
20時45分には通りを挟んで道の反対にあるコンビニに着いた。
さぎりにはメールで知らせてある。
それにしても、どこにでもいるんだな。人の恋路に口挟むやつは。
人それぞれ正解があるのは別にいいけど何故それを人に押し付けるんだろう。っていうか、人の恋路に何を期待してんだよ。全く意味がわからない。
なんで今の幸せにわざわざ水を差す必要があるんだよ。俺らがお前らになにをしたんだよって話だ。
なんどと考えていたら21時を回っていた。
見たところ店も混んでなさそうだったし、すぐ出てくるだろう。
しばらく店の方を見ていると、さぎりが出てきた。一緒に出てきたのは、バイト仲間か?同じ世代の男みたいだな。
車が来ていないことを確認して、さぎりが小走りでコンビニの方に渡ってきたので、俺も外に出た。
「来てくれたんだね。ありがと」
既に少し泣きそうな表情だ。
『様子が気になったからな。さぎりは、気にしなくていい。』
言い終えるかどうかのタイミングで勢いよく抱きつかれた。
「ありがとう。」
ゆっくりと抱きしめ返した。
あぁ、付き合い始めた日も、こうだったな。
『気にしなくていい。今日俺が会いにきたとも、友達のことも』
「うん。。ありがと。」
『明日、バイトは?』
「んん、休み。」
それは好都合。
『よし、泊まりに行くか。』
「え?」
『明日、休みなんだろ?』
「まぁ、そうだけど。。いいの?」
当たり前だろう。何のためにきたと思ってる?笑
『いいよ。この辺でいいか?』
「うん、でも私、お金が。。」
『大丈夫だって。ほら、行くぞ!』
さぎりはしっかりと俺の左腕にくっついてきた。
それだけ力があれば大丈夫だな。
小山駅から少し離れたところにあるホテルにきた。
ここは、俺達が割とよく使うホテルだ。
俺達は、泊まりの時はまず最初に風呂に入る。
もちろん2人一緒にだ。
時々悪ふざけのつもりで始めた前戯に夢中になってそのまま浴室で…ということもあるが、一度2人とものぼせてしまってからはなくなった。
風呂にお湯を溜め始めてから約10分間は暇だ。
今日は2人でならんでソファーに座った。
少しの酒とつまみも買ってきている。
未成年?知るか。大学生なんて皆こんなもんだろ。
「詩乃、いつも来てくれてありがとね。私、本当すぐ弱るから…察して会いに来てくれるのって、本当に嬉しくて、安心するの。」
俯き気味だったさぎりは、そう言って俺の方を向いた。
告白の返事をもらった時の表情に似ている。
静かに、でも強い意志のある表情だ。
「大好き。詩乃、ずっと一緒にいてね。」
そう言うと、答える間もなく俺の唇に唇を重ねてくる。そのまま舌も入れてきた。
珍しい。さぎりがこんなに積極的なんて。
しばらく舌を絡め合って、どちらからともなく離れた。
『俺もさぎりが大好きだ。俺は、誰よりもお前を見ているし、想っている。だから、なにも心配するな』
少し涙目のさぎりは、何度も頷いた。
「うん。うん。」
『大丈夫だ。もう泣くな。』
すると、少し笑った。
「詩乃、付き合い始めた日もそう言ってくれたね。」
そうだな。
『何度だって言うよ。さぎりが安心するまで』
そう言って今度俺の方から身体を寄せた。
そのままソファーに押し倒し、唇から舌を入れる。
「ん…ん」
少し身体を捩りながら、快感に耐えるさぎりを見て更に興奮する。
さぎりのスカートに手を入れ、太腿の辺りを撫で回し、そのまま恥丘へと手を伸ばした。
「あっ…やっ」
さぎりの顔が更に色っぽくなる。
『やめていいのか?こんな半端なところで?』
更に顔を赤くするさぎり。
「んん、やめないで…もっと、…良くして」
俺は最高に興奮した。
さぎりの両足首を持ち、顔の方へとV字に折り返した。
「やっ!恥ずかしい。。」
『だめだ、全部見せろ。』
そのまま下着を身体の後ろ側から前側を通して足首にあたりまで持ってくる。
露わになった下半身がびくびくと動いていた。
『やだとか言いながら、興奮してるだろ?』
「そんなこと。、」
少し乱暴に恥部へと指を入れて掻き回す。
さぎりの喘ぎ声が部屋中に響いた。
その体制のまま自分の鞄へと手を伸ばし、避妊具を取り出して手早く着ける。
さらにさぎりの足首を持ったまま強引に恥部へと俺のモノを押し込んだ。
「うあぁっ!」
『どうした?もうイッたのか?まだまだこれからだぞ』
そのまま自分の気持ち良いリズムで腰を動かし、さぎりの中に射精した。
興奮した。
性行為中のさぎりは従順で、とにかく感じやすく締まりがいい。
俺は、絶頂を堪える快感を数分味わった後容赦なく射精する。
俺達は、身体の相性もいいようだ。
下半身だけを露わにし、ソファーの背もたれに背を向けたまま、さぎりは大きく身体を揺らして荒い息を整えていた。
「詩乃、手を握って。。」
俺は黙ってさぎりの手を握った。
『良かったか?』
「うん、あのね、今日は、いっぱいしてほしいの。」
!
本当に珍しい日だな。
その後、一緒に風呂に入った。
お互いの髪と身体を洗い、湯船に浸かった。
俺のモノは既に力を取り戻し、さぎりの身体を求めていた。
さぎりの方も同じようで、触ってみるとずっと濡れていた。
身体と髪を拭いて、ローブを羽織ったら、今度はベッドに向かった。
普段は従順なさぎりが、今日はヤケに積極的で、俺を壁に寄り掛からせると、いきなり俺の脚の間に入って身体を丸めた。
俺のモノを両手で包み、ゆっくりと上下に動かして、すぐに口に含んだ。
今度は顔を上下に動かしながら、舌でさらに刺激してくる。
『うっ』
俺の脚の間で顔を上げたさぎりが聞く
「きもちい?」
『あぁ、最高だ。』
そこからは更に俺の身体をよじ登るように身体を寄せ、俺をベッドに押し倒した。
そのまま舌を唇に突っ込まれ、舐め回される。
『うっん…』
思わず声が漏れた。なんだこれ。興奮する。
そのまま俺の首筋を舐めまわし、今度は乳首を責められた。
「ねぇ、気持ち良い?」
珍しく挑発的な目で俺を見ながら、挑発的な口調で言う。
いつの間にかまたさぎりの口は俺のモノを捉えていた。
まずい。。
絶頂することを察したのから急にさぎりが俺のモノから口を離した。
「だめ、出すのはこっちにして。」
手早く避妊具を着け、俺の腰に跨った。
『うぅ』
最高潮に膨張した俺のモノがさぎりの恥部をゆっくりと押し拡げていく。
「あぁ!ぁんっ!」
絶頂するのを必死に堪えた。
さぎりはゆっくりと腰を前後に動かし始めた。
次第に激しく、胸を揺らしながら喘ぎ続けた。
俺は、さぎりの中で盛大に射精した。
多分、今までで1番多く出た。
さぎりは脈打つ俺のモノを飲み込んだまま、天井を見上げてビクビクと痙攣していた。
落ち着きを取り戻したさぎりが俺の身体から降りると、まだ興奮していたのか、避妊具がさぎりの側に着いたまま離れ、俺のモノが剥き出しになった。
「詩乃。愛してる。いつか、詩乃の子供を産ませてね。」
意識が薄れていく。
『あぁ、そうだな。』
ちゃんと喋れていたかわからなかった。。
『悪い、寝てたみたいだ』
少し微睡んでいたみたいだ。
多分、15分くらい。
「んん、私も。」
少し身体が冷えていた。
『風呂、入ろうか?』
「うん。」
湯船に浸かりながら、少し話をした。
『今すぐにとは行かないけど、一人暮らしをしたいと思ってる。』
「え?そうなの?」
さぎりが俺の手を強く握る。
大丈夫だよ。
『うん、仕事部屋がほしいんだ。どうしても、1人で集中しないとできないから。それに』
「それに?」
『さぎりがいつでも泊まりに来られるようにしたいんだ。』
途端にさぎりの顔がパッと明るくなる
「本当!嬉しい!」
そう言ってまた抱きつく。
本当、最高だな。
さぎりがいれば、他に何もいらないとすら思える。
『もちろん!学校の近くなら家賃も安いし、今の仕事は結構稼げてるし、成績も落ちてない。ここまで揃ってるなら、親を説得できるかもしれない。』
「そっか、実現したらいいな。」
うっとりとした表情のさぎり。
可愛いな。これからもずっとこの顔を見ていたい。
友達とのことは、すっかり忘れられたようだ。
ひとまず大丈夫そうだな。
「詩乃、私ね。」
『ん?』
「友達とのことでちょっと落ち込んでたけど、もう大丈夫!詩乃がいてくれたら幸せだし!詩乃と別れることなんてないもん!こんな私を見てたら、友達も、いつか応援してくれると思うんだ。だから、今は、詩乃との幸せだけ味わってたい」
『そうだな。まずは俺達がお互いの気持ちをわかっていればいいんだよ。周りの言うことは、気にしなくていい。』
「うん。そうだね。今日も、来てくれてありがとう!私、本当幸せだよ。」
『あぁ、俺もだ。』
俺は湯船の中でさぎりを抱きながら幸せを噛み締めた。
「ねぇ、上がったら、もっかいしよ?」
いいだろう。今日は寝させないぞ?笑