酒飲み女子がどきどきさせられてます

side 香坂優子・2

浮気相手

「、、、気持ち、、、悪い、、、ト、、トイレ、、、」
頭がぐわんぐわんと響き、嘔気が襲ってくる。
目の前が揺れる、、、。



私、香坂優子は医務室のベットで眠っていた。
会いたくなかった元カレの坂上優と偶然に再会して2時間がたっていた。


半分眠りつつ、夢を見るかの如く、大学生の頃を思い出していた。




大学生になった私は人生で初めての恋人ができた。
相手はバイト先の先輩で2歳年上の坂上優だった。
「香坂優子」「坂上優」

きっかけは名前が似すぎだと話したことだった。彼とはシフトが一緒になることも多かった。
優は優しくて、何でも知っていてさわやかな、頼りがいのある人だった。
田舎から出てきた私には、優はスマートで大人でまぶしくて、、、、好きになるまでそんなに時間はかからなかった。
私は優のことが大好きだったから、優に「付き合ってほしい」と言われたときはものすごくうれしかった。


初めてのデートも、初めてのキスも、初めての全てが優だった。
優と一緒にいられることが嬉しくて、いつも一緒にいようとしていた。

私が大学3年、優が社会人1年目を迎えた時。
私は優とあまり会えなくてさみしさを覚えていた。

GW最終日。
帰省から戻ってきた私は、少しでも優に会いたくて一人暮らしの優の部屋に行った。
合鍵で部屋に入るとそこには女物の靴があった。

「、、、誰、、、」

床には脱ぎ散らかされた服。

「優、、、なんで、、、」

ベットのしなる音と喘ぎ声。

「、、、いや、、、優、、、」

私に気付いた一緒にいた女の人は、裸のまま優に詰め寄り、泣き叫びながら私に殴りかかってきた。

優には遠距離恋愛をしていた彼女がいたことが分かった。
高校生の時に付き合って6年も付き合っていたという。
4月になり、彼女がこちらで就職が決まって頻繁に会うようになっていたと。
4月になって会えなくなったと思っていたのだが、そうではなかった。
私は2年も二股をかけられていた。
私が浮気相手となっていたのだった。

好きだったのは私だけだったのかと思いうと、胸がぎゅっと締め付けられて苦しくて涙が止まらない。
それと同時にあの時の女の人の真っ赤になった形相がとても怖かった。